UPDATE ワシントン発--米国でMicrosoftの反トラスト法の順守を監督する判事は米国時間3月7日、オープンソースのプログラマーがMicrosoftの技術資料をより入手しやすくするためのMicrosoftの最近の取り組みを称賛した。
当地で定期的に開催されているMicrosoftと政府の弁護士を交えた法廷審問において、米連邦地裁のColleen Kollar-Kotelly判事は、Microsoftの姿勢の変化について「非常に興味深く」また「劇的である」と述べた。Kollar-Kotelly判事はまた、同社の動きが「過去数年にわたるMicrosoftの従来のアプローチからの大きな変化を示していると思われる」とも述べた。
Kollar-Kotelly 判事は1時間あまり続いた法廷審問の中で「わたしは、問題に気づいたときに人々が軌道修正を恐れないことがうれしい」と述べた。
Microsoftは数週間前、「ハイボリューム製品」のAPIと通信プロトコルに関する資料を公開するとともに、同社の製品に基づいて非商用ソフトウェアを作成するオープンソースの開発者を提訴しないことを誓約する新しい「相互運用性」戦略を発表した。また、同社の特許権によって保護されているプロトコルを同社のいうところの妥当な条件でライセンス供与できるようにすることにも同意した。
以前は、このような資料はより限定された形態でしか利用することができず、コードを他者に漏らさないという契約書に署名したライセンス取得者に対してのみ公開していた。Microsoftは米国および欧州連合(EU)における反トラスト合意の一環として各種のプログラムを策定し、通信プロトコルをライセンス供与した。過去3年間でMicrosoftは、標準規格のサポートおよび相互運用性について次第に率直に発言するようになっており、またオープンソースの開発者にも接触を図っている。
一方、Microsoftの措置に対するEUの規制当局の受け止め方はKollar-Kotelly判事の反応とは大きな違いを見せている。欧州委員会(EC)はReutersに対してMicrosoftの発表は「Microsoftが過去にこの分野でEUの規則を順守してきたか否かの問題とは関係がない」と述べたと伝えられている。ECは2月下旬、Microsoftは欧州の企業に対して同社の相互運用性プロトコルと特許権について不当なライセンス料を課したとして、Microsoftに対して13億5000万ドルという記録的な制裁金の支払いを命じた。
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