Advanced Micro Devices(AMD)は、デスクトップ向けチップセットと製造分野での前進に関する2つの発表を行い、不振だった2007年を忘れ去ろうとしているようだ。
AMDは現地時間3月4日、ドイツのハノーバーで開催の国際情報通信見本市CeBIT 2008で、ローレンジおよびミッドレンジデスクトップPC向けの最新統合グラフィックスチップセット「AMD 780」シリーズを発表した。このチップセットを利用することにより、低価格PCのユーザーでもMicrosoftの「DirectX 10」をベースにしたゲームを動かすことが可能になり、さらに外付けグラフィックスカードを追加することによりグラフィックス処理性能を向上させることもできる。
統合グラフィックスチップセットは、世界で販売されている大半のPCに使用されている。それらのチップセットを利用することにより、PCユーザーはNvidiaやATIなどが販売するグラフィックチップを個別に追加するよりも低価格で基本的なグラフィック技術を入手できる。
AMDは、CPUとチップセットを組み合わせて提供するという点では若干競合他社に遅れを取っていたが、ATI Technologiesを買収したことでIntelに追い付くことを可能にした。Intelの統合グラフィックス部門はここ数年苦戦を強いられてきた。そこでAMDは、その弱点を突いて、現在、市場のその他大部分で優位に立っているIntelと競争上のバランスを取ろうと努めてきた。
MicrosoftのDirectX 10技術をサポートすることにより、同技術を使って設計されているより高度なゲームをAMDベースのPCでも動作することが可能になるとAMDのグラフィック部門の製品担当マネージャーであるNiles Burbank氏は語る。恐らく、より高価なゲームシステム上でプレーする場合とは比べ物にならないだろうが、少なくともプレーすることは可能だ。
また、この780シリーズを搭載したPCのユーザーがグラフィックス性能を多少向上させたいと考えた場合は、AMDのHybrid Graphics技術を使って外付け用グラフィックスカードを追加し、統合グラフィックスと外付けカードの両方の性能を同時に利用することも可能だ。AMDによると、一般のチップセットに搭載されている統合グラフィックス技術は、PCユーザーが外付けカードを追加すると、ほとんどの場合が使用不能状態になるという。
780シリーズを搭載したPCは、第2四半期にAMDのすべての提携企業から発売される。その中には、Hewlett-PackardやDellといった大手企業も含まれている。780シリーズシリーズには、より高性能な780Gと、コストを気にする消費者向けの780Vの2種類が用意される。
またAMDはCeBITで、ドレスデンのチップ製造工場に関する発表を行った。AMDは、同社初のデスクトップ向け45ナノメートル(nm)プロセッサ「Deneb」とサーバ向け45nmプロセッサ「Shanghai」のサンプル出荷を開始したことを発表した。
DenebとShanghaiは基本的に、2007年に発表された4コアプロセッサPhenomとBarcelonaの縮小版だ。45ナノメートルプロセッサの導入に関しては、AMDはIntelに大きく後れを取っている。Intelは2007年11月に最初のモデルを出荷している。またAMDは、65ナノメートル製造技術から45ナノメートル製造技術への切り替えを通常2年かかるところを18カ月で完了するという意欲的な目標を掲げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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