Microsoftの主力OS製品である「Windows Vista」のアップデートで多数のアプリケーションとの互換性に問題が生じるという懸念を、同社の最高執行責任者(COO)であるKevin Turner氏は一蹴した。
Turner氏は現地時間3月4日、ドイツのハノーバーで開催のCeBITでZDNet UKの質問に対し、同社としてはVista Service Pack 1(SP1)が一部他社製プログラムで直面する問題について心配していないと答えた。
Turner氏はZDNet UKに対し、「全く懸念していない。SP1はすでに数多くダウンロードされている。当社としても驚いているところだ。正式リリースはまだだが、大いに満足している」と述べている。
Vista SP1の一般向け正式リリースは3月中旬の予定だが、Microsoft Developer Network(MSDN)の登録者には先行して提供されている。Microsoftは2週間前、SP1の導入により機能が低下または完全に動作しなくなる可能性のあるプログラムのリストを公開した。Microsoftの顧客はまた、SP1がコンピュータの機能を乱すことに不満を述べている。
SP1の影響を受けるプログラムのほとんどはTrend Microなどのセキュリティベンダーの製品だ。Kaspersky Labの創設者の1人でヘッドアナリストでもあるEugene Kaspersky氏は、同社では今のところSP1の導入によって問題は発生していないが、伝えられている問題を解消しなければMicrosoftは顧客を失うだろうと話す。
Kaspersky氏は、「Microsoft Vistaの有用性には問題があり、コンピュータの動作が遅くなったという不満がMicrosoftに寄せられている。自社システムの有用性にもっと留意すべきだ。さもないと、Mac OS XやLinuxに対して安泰ではいられなくなるだろう」と述べる。
Kaspersky氏はまた、SP1の問題が一般利用者のVistaに対する評価に否定的な効果を与え、Vistaの販売に影響するかもしれないとも話す。
「おそらくMicrosoftは間違いを犯したのだ。1991年と同じ間違いを。Microsoftは1991年にMS-DOSバージョン4.0をリリースしたが、バージョン3.0より重くなった。MS-DOSが以前より多くのリソースを必要としたため、利用者のアプリケーションが使えるメモリが減ってしまったのだ。同社は3.0と同程度に軽いバージョン5.0をリリースして、この問題を解決した」(Kaspersky氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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