ノートPCや携帯電話が突然発火する恐れがひろまったことを受け、米国政府は2008年から、正しく梱包されていないリチウム電池を飛行機内に持ち込むことを禁止している。だが、Nanoexaの開発が成功すればこの問題を解決できそうだ。
Nanoexaはリチウムイオン電池を入念に調べ、より安定したバッテリを設計することを目指している。同社は成長中のエネルギーストレージ市場に着目しており、特に力を注いでいるのがハイブリッドカーや電気自動車で利用されるバッテリだ。
Nanoexaのソフトウェアは、バッテリの中身を原子レベルで調べる。コンピュータモデリングを利用してリチウム、コバルト、ニッケルなど内容物を調べ、安全性が高く、かつ安価な組み合わせを決定する、というものだ。
目標は、安定した電極を作り、バッテリが爆発しないようにすることにあり、陰極素材と陽極素材の組み合わせにより効率を改善し価格を下げる、と同社は述べている。
Nanoexaの最高経営責任者(COO)であるRichard D'sa氏は米国時間2月26日、サンフランシスコで開催の「Cleantech Forum」で、「高性能だが価格は抑える」と説明した。
たとえば、Nanoexaはコバルトの利用を削減し、バッテリにおけるニッケルのコストを3分の2に削減する方法を見出した。化学実験室で実験を重ねて数十年単位で解明するようなことが、コンピュータモデリングを利用すれば数年で分かる、とD'sa氏は言う。
D'sa氏によると、Nanoexaの電動工具向けバッテリの使用回数は350〜500回程度で、デジタル時計などで用いられるコイン電池の場合だと1000回に達するという。現在の課題は、車などに対応できる大きなバッテリで使用回数を1000回に到達することだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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