NetSuiteは米国時間2月28日、パートナー企業を通じて業界特化型アプリケーションを提供する戦略の一環として、独自のオンライン開発プラットフォームを新たに発表した。
このNetSuite Business Operating System(NS-BOS)と呼ばれる新しい開発プラットフォームは、NetSuiteの既存のホスト型開発プラットフォームに機能を追加したもので、特に注目すべきは、SuiteScript D-Bugと呼ばれる統合型コードデバッグツールだ。このSuiteScript D-Bugは、3月から提供が開始される予定。
NetSuiteがNS-BOSのターゲットにしているのは、特定業界の専門知識を有し、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)の開発を目指している独立系ソフトウェアベンダー(ISV)だ。NetSuiteは特に、ホスト型プラットフォームを開発する必要があるクライアント/サーバアプリケーションプロバイダーに積極的に売り込もうとしている。
NetSuiteの言う垂直的な業界販促活動の一環として、同社は業界ソリューション担当バイスプレジデントとしてMichael Ni氏を招いた。Ni氏は、ISVとの事業展開の指揮を取る。
NetSuiteの最高経営責任者(CEO)であるZach Nelson氏によると、NS-BOSの主な目的は、企業の会計、販売、企業資源計画(ERP)用アプリケーションをカスタマイズすることにあり、その点がNetSuiteの開発戦略と同社の主要ライバルであるSalesforce.comとの相違点だという。
「われわれは、開発者が任意のアプリケーションを開発するインターネットオペレーティングシステム(OS)の話をしているのではない。これはまさに、NetSuiteに組み込まれたビジネスアプリケーションを開発するということだ」(Nelson氏)
このツール自体は無償で提供されるが、アプリケーションの売り上げはNetSuiteとISVで分け合う。Nelson氏によると、分配の割合はアプリケーションプロバイダー次第だが、NetSuiteのアプリケーション価格のおよそ5割になる可能性が高いという。
今後、NS-BOSと競合するのはSalesforce.comのForce.comプラットフォームだけではない。Bungee LabsやCogheadの製品など、ホスト型開発プラットフォームの数は増加傾向にあり、NS-BOSはそれら全てと競合することになる。またパッケージアプリケーションプロバイダーのSAPとOracleもカスタマイズ可能なホスト型プラットフォームを提供している。
独立系開発者たちは、自分たちのツールではなく、NetSuiteアプリケーションと密接に関係しているNS-BOSを使用することに多少抵抗があるかもしれない、とNelson氏は語る。
しかし同氏は、ビジネス上の観点から見れば、NS-BOSはホスト型インフラストラクチャーの利点を享受できるとともに、NetSuiteプログラマーたちと同じツールを利用できるというメリットがある、と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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