Adobe Systemsは米国時間2月25日、待望の「Adobe Integrated Runtime」(AIR)のダウンロード提供を開始した。同ソフトウェアにより、ウェブアプリケーションがオフラインでも実行可能になる。一方、Microsoftは自陣営からのウェブ開発者流出を防ぐべく、「Silverlight」プラットフォームのアップデートを準備している。
Microsoftは、Silverlight 2のベータ第1版を「間もなく」リリースする予定である。Microsoftでウェブ開発を担当する開発部門のゼネラルマネージャーであるScott Guthrie氏が22日に自身のブログで明らかにした。同社は来週、ウェブの開発と設計をテーマとするカンファレンスMix08をラスベガスで開催する。
Silverlight 2は、現行版に対する重要なアップグレードとなる。というのは、Silverlight 2は、Microsoftの.NETツールを使ってWindowsとMacintoshのブラウザ向けのリッチインターネットアプリケーション(RIA)を構築することができるようになるからである。
RIA分野は、基盤ソフトウェアを提供するプロバイダーの間で、競争が急速に激化している。
オフラインでデータにアクセスするといったデスクトップアプリケーションが持つ機能をウェブで実現することを目指したプラットフォームはAdobe AIRやSilverlightだけではない。
オフラインアクセスが可能な「Google Gears」「JavaFX」、Mozilla Foundationの「Prism」プロジェクトなどである。
Guthrie氏によると、Silverlight 2は.NET Frameworkの必要な機能だけを残した縮小版を備えており、さまざまな言語が使え、作成したアプリケーションはブラウザのInternet Explorer(IE)、Firefox、AppleのSafariで実行することができるという。
「開発者は、.NET言語(VB、C#、JavaScript、IronPython、IronRuby)を使用して、Silverlightアプリケーションを開発することができる。われわれは、Visual Studio 2008とExpression Studioで、Silverlightアプリケーションの構築時に高度な開発設計ワークフローや統合を可能にするツールをサポートする予定だ」(Guthrie氏)
MicrosoftはAdobeなどと開発者の囲い込み競争を繰り広げており、自社の強みと開発ツールを活用しようとしている。AIRアプリケーションを開発する場合、開発者らは標準のAjaxツールキットまたはオープンソース化された「Adobe Flex」を使用することができる。
Silverlightは現在、WindowsとMacのブラウザで利用可能だが、MicrosoftはLinuxデスクトップとモバイル機器向けのバージョンも提供していく意向である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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