シドニー生まれのtiinker、Diggの対抗馬となるか

文:Sarah Perez 翻訳校正:吉井美有2008年02月26日 08時00分
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 Diggのソーシャルニュースサービスは会員のコンテンツの選択とランク付けに依存しているが、オーストラリア、シドニーの新興企業であるtiinkerはちょうどその逆を行っている。それぞれの会員を個人として扱い、その人がなにを好むのかを学習するのだ。

 知的ニュース集約サービスtiinkerは、人工知能に似た技術を使ってユーザーの興味を判断し、それに適応して、ユーザーが最も興味を持つニュース記事を提示する。ウェブ3.0とは個人化なのかもしれないと考えると、tiinkerは次の目玉なのかもしれない。

 tiinkerを使ってみてまず気づくのは、試すためにアカウントを作る必要がないことだ。tiinkerはブラウザのクッキーを使ってしばらくの間ユーザーを記憶しておく。ユーザーはホームページの「try it now」をクリックすれば、ログインしなくても記事のランク付けを始めることができる。しかし、このサービスを気に入ったら、これらのランキングを保存するためにアカウントを作りたくなるだろう。

 インターフェース自体は気が利いていて、すぐ簡単に使えるものだ。初期設定では、tiinkerは何千ものニュース源やブログのコンテンツを集約し、それらを「芸術・娯楽」「ビジネス」「健康とライフスタイル」「オピニオン」「政治」「科学」「スポーツ」「技術」「世界」の分野に分類している。ユーザー向けにこれらの記事を選択するのは完全に自動的に行われており、人間は介在していない。これが、tiinkerと他のソーシャルニュース集約サービスとの大きな違いだ。tiinkerでは、記事の選択はすべてユーザーとユーザーが何に関心を持っているかに基づいて行われており、自分のために選択されたものを友達などの他の人と参照しあうことさえできない。これは個人化されたニュースサービスであって、ソーシャルネットワークではないのだ。

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 ニュース記事の選択は、それらが何に関するものなのか、ユーザーがこれに似た話題にどの程度興味を持っているか、発表されてからどれだけ経っているか、どんな地域の情報かなどの要素の分析の複雑な組み合わせに基づいて行われる。また、tiinkerは彼らが「lucky dip」(パーティで行われる福引き)と呼ぶ、ユーザーの普段の興味から外れた記事もときどき提示する。これはユーザーが目にする記事の幅を広げるためのものだ。

 記事のランク付けは「thumbs up(賛成)」か「thumbs down(不賛成)」かをクリックするだけの簡単なもので、これはtiinkerがユーザーの好みを学ぶのに使われる。いくつかの記事をランク付けするだけで、記事がユーザーに合わせたものになっていくのに気づくだろう。しかし、tiinkerが本当に好みを知るには、そのあと数回訪れる必要があるかもしれない。ユーザーがtiinkerを使うにつれてアルゴリズムは学習を続け、時間が経つほど興味の持てる記事を上手に選ぶようになる。

 項目を「不賛成」にすると、サービスは直ちにユーザーのプロフィールから同じ種類の記事を削除する。また、ユーザーが見ない種類の記事も登場しなくなる。手違いでうっかりある記事を間違って評価してしまった場合のために、「賛成」「不賛成」のアイコンをクリックすれば選択をやり直すことができるという便利な機能もある。

 このほかにもう1つ独特のオプションがある。ユーザーの希望に応じて記事を電子メールで送ってくれるサービスの機能だ。ユーザー登録をするときに、記事を電子メールで「毎日送る」「毎週送る」「送らない」の選択肢から1つを選べる。このオプションの設定はいつでも変更できる。記事の通知をRSSフィードで送らせることもできる。また、みんなが何を読んでいるのかを知りたければ、「Popular(人気記事)」のページを見ればよく、これもフィードすることができる。もしこれをさらに絞り込みたければ、各分野のページにも個人化フィードや人気記事フィードがある。

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 読むものが不足し始めたら、「only unseen stories(未読記事)」リンクをクリックすれば、まだユーザーに表示されていない記事を見ることができる。ここで驚き、興味を持てるものを見つけられるかもしれない。

 記事をマークして後で読むために保存しておきたい場合は、記事の下にあるほんのアイコンをクリックすれば、保存記事を取っておく場所である「Scrapbook」のところに保存しておくことができる。もちろん、ここからフィードすることもできる。

 Tiinkerは毎日大量に発信されるニュースを整理するにはすばらしいサービスのように見え、Diggなどのサイトよりも個人的なサービスとして、代わりに使うことができる。ただし、進んだRSSユーザーはおそらく自分のフィードリーダーを使ってニュース源をコントロールしたいと思うだろうし、現在のRSSリストにtiikerのフィードを追加するような使い方だけをするかもしれない。それでも、このサービスは機械学習の機能の分野での大きな一歩だし、それだけでも見る価値はある。

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