米国内のiPhoneに対する需要はすでに低下し始めているのだろうか。
米国でiPhoneを独占販売するAT&Tは米国時間1月24日、業績発表の電話会議の中で、第4四半期のiPhoneのアクティべート数は90万件だったと発表した。同社の幹部によると、2007年終了時点での「iPhoneの総契約者数は200万人ちょうどか、それをわずかに下回る」という。
Appleは「Macworld」の中で、1月半ばまでのiPhoneの総販売台数が400万台に達したと発表した。調査会社Sanford C. Bernsteinの金融アナリストであるToni Sacconaghi氏は、両社が発表した数字の食い違いについて、Appleが需要の問題を抱えている可能性があると指摘する。Sacconaghi氏は24日、AT&Tの決算発表後にリリースしたリサーチノートの中で、AT&Tが示した数字は、AppleがiPhoneの販売を委託している提携企業で相当な数の在庫が積みあがっていることを示唆している、と述べている。
Sacconaghi氏はレポートの中で次のように述べている。「われわれの考えでは、このデータはiPhoneの販路で相当数の在庫が積み上がっていることを示している(中略)これは以下の2つの点で問題だ。第一に、iPhoneに対するエンドユーザーの需要が、多くの投資家がAppleの売上高を基に考えているほど高くないことをこのデータは示している。第二に、同データは、今四半期のiPhoneの売れ行きが鈍化する可能性を示唆している。なぜなら、これらの在庫の大半は徐々に減少する可能性が高いためだ」
この見解を検証してみよう。Appleは24日に2007年のiPhoneの総販売台数は370万台だったと発表した。しかし、AT&Tは同日、2007年末時点のiPhoneの総契約件数はおよそ200万件だったと発表している。
第3四半期と第4四半期との間で気温以外に大きく異なっていたのは、第4四半期に英国、ドイツ、フランスの3カ国で、AT&T以外の事業者を通じてiPhoneが発売された点だ。しかし、2007年の欧州におけるiPhoneの販売台数に関する最も楽観的な予想でさえ、170万台には遠く及ばない。英国でiPhoneを独占販売する携帯事業者O2によると、同社のこれまでの累積販売数は恐らく20万台ほどだという。またフランスのOrangeとドイツのT-Mobileの同年の販売実績もそれぞれ10万台程度と見られる。
では、残りの130万台のiPhoneは一体どこに消えたのか(Sacconaghi氏は、欧州におけるiPhoneの累積販売台数を35万台と予測しているため、残りは140万台としている)。第一に考えられるのは、ロックが解除済みのiPhoneが相当数出回っているという説だ。
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