3.5G技術の進歩で急成長するモバイルブロードバンド市場

文:Natasha Lomas(Special to CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、佐藤卓、福岡洋一2008年01月15日 10時23分

 いわゆる3.5世代(3.5G)のワイヤレスネットワーク技術の登場で、モバイルブロードバンドの普及が世界中で進み、それに伴って3.5Gの通信プロトコルを使用した商用ネットワークが次々に誕生していることがわかった。

 3G/GSMネットワークサービス事業者の業界団体Global mobile Suppliers Association(GSA)の調査によれば、いわゆるHigh-Speed Downlink Packet Access(HSDPA)方式を採用した3.5G商用ネットワークの数が2007年、世界全体で69%増加したという。

 現在、166の商用HSDPAネットワークが75カ国に展開している。さらに、38のネットワークがサービス開始を表明しているため、すべて合わせればHSDPAネットワークの数は204に達し、89カ国に広がることになるとGSAは報告している。

 また、商用HSDPAネットワークが利用できる地域は世界中に広がっており、西欧(61ネットワーク)、東南アジア(35)、東欧(34)、中東およびアフリカ(20)、それに南北アメリカおよびカリブ海地域(16)に及んでいる。

 HSDPAは3Gネットワーク技術を強化した改良版で、理論値で下り方向最大7.2Mbpsの通信が可能だ。また、実効速度も800kbpsから3Mbps程度を達成している。

 GSAによると、3.5Gの普及によってモバイルブロードバンドサービスが世界的に広がっているだけでなく、High-Speed Packet Access(HSPA)ネットワークを運営する世界中の事業者において、加入者の大幅な増加と利益性の向上が報告されている。HSPAとは、下りを高速化するHSDPAと上りを高速化するHigh-Speed Uplink Packet Access(HSUPA)の総称。

 しかし、増大しているのはネットワークの数だけではない。GSAの調査では、下り方向の通信速度も上昇していることが明らかになった。

 調査によると、既存の商用HSDPAネットワークのうち、約3分の2(62%)が3.6Mbps以上の下り速度に対応し、最大7.2Mbpsの下り速度に対応したネットワークも5分の1を超えている(21%)という。

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