HSUPAについては、HSDPAネットワークと比べて数が少なく、26の商用ネットワークが22カ国でサービスを展開するにとどまっている。しかし、HSUPAに勢いがついてきた証拠もある。この26のネットワークはすべて2007年にサービスを開始している上、その大半は過去半年以内のことだからだ。
さらに、HSPA事業者のほぼ60%が、Global System for Mobile communications(GSM)やEnhanced Data GSM Environment(EDGE)などのネットワーク方式を組み合わせて、自社ネットワークの提供地域を拡大していることがわかった。
JupiterResearchのシニアアナリストThomas Husson氏も、HSDPAによって世界的にモバイルブロードバンドの普及が進んでいるという見方を支持している。ただしHusson氏は、市場はまだ初期段階にあるとしており、「次は当然モバイルブロードバンドが進化するとみて間違いなく、西欧ではかなり導入が進むことになるだろう」と、silicon.comの取材に対して述べている。
一方、3.5Gと競合すると見られる4G技術のWiMax方式を採用したサービスについては、西欧では少なくとも2010年末まで3.5Gを脅かす存在にはならないというのが、Husson氏の予測だ。
Husson氏は、既存の3Gネットワークのソフトウェアをアップグレードするだけで多くのHSDPAネットワークが提供できているという事実を指摘し、この点で、3.5Gネットワークの方が専用ネットワークインフラの必要なWiMaxより、スタートにおいては有利だと語った。今のところ、商用のWiMaxモバイルネットワークは世界に2つだけで、どちらも韓国のサービスだ。
Husson氏によれば、HSPA対応携帯電話機の売り上げは、ネットワーク事業者が予想以上に端末補助金を奮発したことも手伝って大幅に増加しており、そのことが西欧における3.5G市場の成長を後押ししているという。これからは、新しい3G携帯電話の多くがHSPA対応に移行するとHusson氏は予測している。
「HSUPA方式のネットワークがサービスを開始すれば、コンテンツを携帯電話からネットワークにアップロードできるようになる。ユーザー生成コンテンツの人気が高まり、携帯電話でのSNS利用が広まる中で、こうしたネットワークの重要性はますます高まるだろう」と、Husson氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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