実は「人を集める必要」ない?--アクセス数だけに頼らないSecond Life活用法

Webマーケティングガイド2008年01月15日 13時00分

 「Second Lifeって、人が全然居ないよね」と言うことをよく耳にしますが、確かにそのとおりかもしれません。すでに皆さんご存知かと思いますが、Second Life上では1SIMあたりに同時に訪れることができるユーザーの数には限界があり、せいぜい数十人とされています。

 ウェブサイトであれば同時に数十人しかアクセスできないものなど、価値にならないでしょう。でもSecond Lifeではそれが限界、ということがすでにサーバーの関係上決まってしまっています。

 ではウェブサイトだけ作っていれば、Second Lifeのような3D空間は必要なく、ネット上での表現は完全なのでしょうか。

 Second Lifeでよく言われるメリットの方に目を向けると、「3D空間だからこそできる表現方法」というものがあります。たとえば車。TVCMやホームページでは、車の性能を説明することや、走っている映像を見せてかっこよさを伝えることなどはできても、実際に車に乗せることはできません。

 3D空間であればそれが可能です。アバターの歩くスピードとの違いや、曲がるときの感覚だったり、運転席から見る景色だったりといろいろな表現ができます。この表現力をうまく活用できれば、Second Lifeの中で人を集めなければいけない、という前提は簡単に覆ります。

 1SIMで企業告知を展開したとしても、同時に訪れるのはどんなに多くても数十人です。Second Life以外の場所でどういった伝わり方をさせればいいか、そちらを重点的に考える必要も出てきています。Second Lifeだけで完結させない手法ということを実践している事例も増えてきているので、そちらをご紹介させて頂きます。

 日本テレビの「デジタルの根性」という番組を見たことがあるでしょうか。Second Life内で収録をした動画を使って番組を構成しています。Second Life内での収録は公開で行っており、「Shiodome Island Life〜汐留島生活〜」というブログで事前に日程を告知しています。こちらは明らかにSecond Life内で人を集めることを効果指標としているわけではありません。これをコンテンツとして利用することで、新しいテレビ番組を作っています。

 一方ヤマハ発動機では、去る10月26日開幕の東京モーターショーに先駆けて、10月24日に東京モーターショー連動キャンペーンと題して「Yamaha Motor」をオープンしました。こちらでは出展モデル18車種のオブジェクトを無料配布しました。バイクを無料配布しているという、現実世界では考えられないキャンペーンを連動で展開することにより、現実世界だけでは表現しきれないキャンペーン展開を成立させています。

 フジテレビでは、「FUJITV SL SHOP」というものを展開していて、現在はバレーボールのマスコットキャラクターを置いて、バレーボールの放送を盛り上げるツールとして利用しているようです。元々存在している「FUJITV WEB SHOP」のEC販売促進につながるかどうかの実験としての意味合いなどが、設立の理由のようです。

 これらの事例では、Second Life内で人を集めるということを念頭に置いていません。テレビや現実世界でのイベント、またタイムリーな話題の告知をフックとしたイベントとウェブとの連携の実験など、さまざまな使われ方がされています。

 Second Life内で人を集めるのではなく、そこで表現できることや、そこで起きている出来事を利用して、ほかの告知にうまく活かしています。TVやイベント、スポーツなど、ユーザーが現実世界で触れるものと、Second Lifeという仮想世界を同時に展開することで、新しい表現ができています。

 Second Lifeで実現できること、その可能性はまだまだあります。もちろん、Second Life内で人を集めてこそ成立する企業や企画というのも中にはあると思います。ですが、活用法の発想を変えるだけで、企画の幅が広がることでしょう。

 Second Lifeに対して懐疑的な方々には是非再度見方を変えて考えてほしいですし、可能性を感じている方は、是非こういった発想も念頭に置いてみてはいかがでしょうか。

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