ラスベガスで開催されているConsumer Electronics Show(CES)から投稿されたNew York Timesのブログによると、AT&Tは自社ネットワークを流れる違法コピーされたコンテンツをフィルタリング技術によって阻止することを検討しているという。
このブログによると、AT&Tの渉外および法務を担当するシニアバイスプレジデントであるJames Cicconi氏は、米国時間1月8日に行われた不正デジタルコピーに関するパネル討論会で、同社はNBC Universalなどのコンテンツ提供企業とともにフィルタリング技術の利用可能性を検討していることを明らかにした。
Cicconi氏はNew York Timesのブログの中で、「技術的解決に強い関心がある。その場合、ネットワークレベルでの対策が最善だろう」と述べている。
YouTubeやMicrosoftのSoapboxなどのサイトでは、著作権で保護されたビデオが不正に共有されることを阻止するためとして、すでにフィルタリングが使用されている。しかし、フィルタリングをネットワークレベルで幅広く使用することには異論もあり、一部の消費者団体からの反対を引き起こしている。
2007年には、ケーブルテレビ会社であるComcastがBitTorrentトラフィックをフィルタリングしたことで非難を受け、反対運動が盛り上がった。同社はトラフィックをフィルタリングしていたことを否定したが、後に自社のネットワークが(BitTorrentのトラフィックで)混乱しないようにトラフィックを「調整」していることを認めた。米連邦通信委員会のKevin Martin委員長は8日、同社の行為が同委員会の施策に反するか否か、調査を開始する予定だと述べた。
フィルタリングに反対するグループは、インターネットはオープンであるか「中立」であるべきだとし、通信会社が自社ネットワークを流れるパケットを監視して通すか阻止するかを決定するのは検閲などの乱用につながる危険な行為だと主張している。
2007年夏にAT&Tのビデオストリーミングサイトで起こった事例を考えれば、この意見はおそらく正しい。シカゴで催されたLollapaloozaコンサートのウェブキャストで、AT&TはバンドPearl Jamの楽曲「Daughter」の数カ所にビープ音をかぶせた。その楽曲の中では、同バンドの歌手であるEddie Vedder氏が、Bush大統領に反対する内容に歌詞を変更していた。John Butler TrioやFlaming Lipsなどほかのバンドも、AT&Tのウェブキャストで検閲された。同社はこれらの発言が削除されたことは認めたが、公演中の不適切な言葉を監視するために委託した契約企業の過剰な処理による間違いであると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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