CRI・ミドルウェア(以下、CRI)は1月9日、自社で開発したリアルタイム音声処理技術「C-TST(CRI Time Stretch Technology)」を、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」向けに提供すると発表した。
CRIが開発したC-TSTは、録音された人の「声」を、声質を変えずに再生速度を速くしたり遅くしたりできる、リアルタイム音声処理技術となる。再生速度をプラスマイナス30%というレンジで自由にコントロール可能。例えば「10秒」の音声を「7秒」に縮めて速く再生したり、逆に、「13秒」に引き伸ばしてゆっくり再生したりできる。
C-TSTにより、「英語学習ソフト」や「絵本ソフト」、「小説読み上げソフト」などで、ユーザーの能力や好みに合わせた速度再生が可能。シルバー層のユーザー向けに、「ゆっくり・はっきり」した音声の再生を実現し、ソフト分野において、ユニバーサルデザインやバリアフリーへの対応に貢献できるとしている。
このたびこの技術を、2006年11月発売の、CRIのミドルウェア「救声主 for NINTENDO DS」の、追加新機能として提供する。なお、救声主 for NINTENDO DSは、ニンテンドーDS向けソフトの高音質化や、開発コスト削減を可能とする、CRI独自の音声再生システムとなる。
CRIによると、セリフが多用されるロールプレイングゲームやアドベンチャーゲームでは、ゲーム中に表示されるテロップ(字幕)の表示速度は変えられても、音声は等速再生のみというのが一般的であった。また、従来の手法では、再生速度を速くすると甲高(かんだか)い声に、遅くすると野太い声になっていた。
C-TST導入により、ナレーションやセリフの再生速度をプレイヤーが自由に選択できるゲームを実現。再生速度を変えてもピッチが変わることなく、等速再生のときの声質を維持し、「本人の声」のまま、再生速度の調節が可能になるとしている。
なおC-TSTの価格は、救声主込みで、1タイトルあたり44万円〜(税別)となる。
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