Amazon.comは同社が提供するオンラインコンピューティングサービスにとって3番目となる要素の公開テストを開始した。このサービスとは、「SimpleDB」と呼ばれるデータベース機能である。
Amazonは2006年に他の2つのWebサービスを開始している。2つのサービスとは、ユーティリティコンピューティングサービスの「Elastic Computing Cloud(EC2)」とデータストレージの「Simple Storage Service(S3)」であり、誰でも料金を払えば使用できる。Amazonの米国時間12月14日の発表によると、SimpleDBはこれらのサービスと連係して動作し、顧客はデータを保存、修正したり、クエリーを行ったりすることができるという。
「Amazon SimpleDBはデータの迅速で効率的な保存と検索を可能にして、高性能なウェブアプリケーションをサポートする」とAmazonはSimpleDBウェブサイトで説明している。「Amazon SimpleDBは使い方が簡単で、構造化されたデータのリアルタイムのルックアップとシンプルなクエリというデータベースの中核的な機能を提供し、しかも複雑な操作は不要である」
サービスの料金は、SimpleDBマシン1台あたり1時間14セントに加えて以下のデータ転送料金が必要となる。データベースへのデータ入力は1Gバイトあたり10セント、データベースからのデータ出力は最初の10テラバイトまでは1Gバイトあたり毎月18セント、次の40テラバイトについては1Gバイトあたり16セント、それ以降は1Gバイトあたり毎月13セントとなっている。
サービスは限定ベータ版であり、顧客は先着順に契約できるとAmazon.comは述べている。
Amazonはサービスの基礎となっているソフトウェアについてはコメントを避けた。「内部のソフトウェアについては明かせないが、高いスケーラビリティと信頼性という基準で選んだ多くの異なるテクノロジを使用している」と広報担当者のKay Kinton氏は述べる。
Amazonは最近、オンラインサービスを拡張している。またEC2で「Red Hat Enterprise Linux」を稼働する別のサービスのベータテストも開始している。
Amazonのクラウドコンピューティングの顧客にはブログホスティングサイトのWordpressや写真共有サイトのSmugMugがある。
SmugMugの最高経営責任者(CEO)であるChris MacAskill氏は14日に投稿されたブログ記事でAmazonのテクノロジに合格点を付けている。「SimpleDBは非常に高速かつきわめてスケーラブルであり、当社のほとんどすべての(データベースへの)SQLクエリはシンタックス以外全く変えることなく動作するだろう。多くの読者と同じように、わたしもRDBMS(リレーショナルデータベース管理ソフトウェア)の大部分を非常に単純なデータストアとして使用しており、高度なRDBMS機能をさほど使用していない」。
技術的な詳細については、Inside Looking Outブログに多少の情報が掲載されているし、AmazonにはSimpleDBデベロッパーガイドがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」