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日本HP新社長、「ガースナー氏には選択と集中を、孫氏には変化を引き起こすことを学んだ」

藤本京子(編集部)2007年12月12日 17時22分
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は12月12日、同月1日付けで代表取締役 社長執行役員に就任した小出伸一氏の就任記者会見を開催した。

 小出氏は、1981年に日本IBMに入社し、社長補佐や金融システム事業部長、米IBMでのコーポレートストラテジー担当などを経て、、2005年4月に日本テレコム(現在のソフトバンクテレコム)に入社、2006年10月にソフトバンクテレコム 代表取締役副社長COOの職に就いていた。

小出氏 日本HPの新社長に就任した小出伸一氏

 今回ソフトバンクテレコムを去り、日本HPの社長就任に至った理由について小出氏は、「ソフトバンクテレコムがカバーしていたのは固定通信で、マイナス成長の市場だった。そのため、私の役目は事業再生だったが、同社の営業黒字化が見えたため、次のステップに進むことにした」としている。

 IBM時代の小出氏にとってHPは競合であり、ソフトバンクテレコム時代の小出氏にとってHPは客とITベンダーという立場。さまざまな角度でHPを見つめていた同氏がこれまでHPに抱いていた印象は、「多くの再編を繰り返し、ダイナミックな経営スピードでトップに成長した企業。また日本HPは、外資系企業でありつつ日本文化を尊重した経営を行っている」というものだった。

 今後日本HPを率いていく中で小出氏は、「顧客が経営やビジネスで困った時、『HPに聞いてみよう』と思ってもらえるような企業にしたい」と話す。また、HPはグローバルでスピード経営にフォーカスしており、変化に柔軟に対応できる経営が求められているが、「変化に対応するというよりも、変化を起こす側の経営をしなければ2番手、3番手となってしまう。つまり、変化を引き起こす発信型企業に変革することが大切だ」としている。

 「困った時のHP」になるには、直販を強化するなどの戦略が必要だ。その点について小出氏は、「確かに複雑なサービスであれば直接営業が顧客とコンタクトすることになるだろう」としながらも、「すべて自前でできる時代ではない。自前のリソースとパートナーとのアライアンスの両方が必ず必要となる。今後、ケースごとの担当を定義していくことが大きな戦略のひとつとなる」としている。

 小出氏は、今顧客が望んでいることは、「ハードウェアのスペックやコスト削減よりも、いかに早く顧客の課題を解決できるかという点だ」と話す。その中で、サービス事業の拡充も視野に入れているというが、「サービスと呼ばれる分野は、コンサルティング、インテグレーション、SaaSなどさまざまだ。一番いいのは市場に合ったポートフォリオを提供すること。つまり、何も考えずに参入するのではなく、HPとしてのコアコンピテンシーと市場の伸びを見て、慎重にサービス戦略を組み立てたい」とした。

 最後に手本となる経営者は誰かと聞かれた小出氏は、米IBMの元会長 Louis Gerstner氏とソフトバンク 代表取締役社長の孫正義氏を挙げた。「米IBM時代にはGerstner氏に学ぶことが多く、選択と集中というメリハリのついた彼の経営は非常に尊敬できるものだった。また、短い期間ではあったが、ソフトバンクグループでは孫氏と大変興味深く付き合えた。彼は、本人が最終決断する場合でも、現場に出向いて意見をよく聞いた上で戦略を立案していた。先ほど『変化に対応するより変化を引き起こしたい』と言ったが、これは孫氏から学んだことだ」(小出氏)

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