Virtual Ironは米国時間12月10日、同社のサーバ仮想化システムの重要なアップデートをリリースした。このアップデートでは、ディザスタリカバリや高可用性といった特定の使用用途に焦点を当てている。
「Virtual Iron」ソフトウェアは、オープンソースの「Xen」ハイパーバイザーをベースにしている。Virtual Ironは、XenSourceの製品との差別化に取り組んでいる。XenSourceは同じくXenベースの製品を販売している。
サーバ仮想化は、1台の物理マシンを分割し、独立した複数のサーバとして機能させる技術。XenはホストOS(通常はLinux)上で動作し、Windowsなど他のOSをゲストOSとして稼動可能にする。
XenSourceは2007年に入ってからCitrixに買収され、競合するVirtual Ironにとってはこれまで以上に脅威となった。またVirtual Ironは、仮想化市場の大半を支配しているVMwareの脅威にもさらされている。
最新のアップデートである「Virtual Iron 4.2」では、近い将来急成長が見込まれる特定の仮想化用途に焦点を当てている。Virtual Ironはその対応策として、今回リリースしたVirtual Ironソフトウェアの最新版「Virtual Iron 4.2」では、近い将来急成長が見込まれる特定の仮想化用途に焦点を当てている。具体的には、ディザスタリカバリ、高可用性、ダイナミックキャパシティマネジメント(DCM)などだ。
その他の典型的な仮想化の用途としては、サーバの統合、開発、テストなどが挙げられる。
Virtual Iron 4.2には、XenSourceの先を行くいくつかの新機能が搭載されているという。その一例が、仮想サーバイーサネットやファイバチャネルネットワーク用のマルチパスだ。これは、より優れた連続性と冗長性をサポートする。その他にも、ホットバックアップやパッチ管理用の仮想サーバスナップショット機能や、ディスクグループや仮想ディスクのサイズを実行時に増やす機能などが搭載されている。
またVirtual Ironは、OSのサポートを拡大し、「Red Hat Enterprise Linux 5」と「SUSE Linux Enterprise Server 10」を新たにサポートした。また、仮想サーバツールの展開を簡素化した。
Virtual Ironが提供するXen関連のその他のサービスとしては、1台の物理マシンから別のマシンへのライブサーバマイグレーションや、リカバリ、容量管理ツールなどがある。LiveProvisioningは自動展開機能で、仮想サーバ上のソフトウェアの物理インストールや管理の必要がないという。
XenSourceもライブマイグレーションを提供しているが、同社がこの機能を追加したのは比較的最近のことだ。
IT専門調査会社IDCは、高可用性やディザスタリカバリといった用途に仮想化を利用するケースが今後急増すると予想している。同社の予測では、2010年までにそれらの用途向けのサーバ仮想化が仮想化全体の60%以上を占めるようになるという。
IDCによると、現在は、本番環境よりもテスト環境で仮想化が利用される場合が多く、高可用性やディザスタリカバリが仮想化の用途全体の12%を占めているという。
Virtual Ironは、1台の物理マシンに最高12台の仮想マシンを実現できる、必要最小限の機能を備えた無料版も提供している。
また、Enterprise Editionの価格は1ソケット当たり499ドルで、Extended Enterprise Editionは1ソケット当たり799ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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