Virtual IronとVMwareの仮想化ソフト会社2社は米国時間2月6日、業績向上を狙い、新ソフトウェアや新たな業務提携を発表する予定だ。
両社が開発する仮想化ソフトは、コンピュータの効率利用を目的に、1台のマシン上で複数の「仮想マシン」を稼働させ、その仮想マシン上でアプリケーションを実行させる。仮想マシンを用いることにより、1台のサーバで複数ジョブの処理が同時に可能となり、あるコンピュータから別のコンピュータへジョブを容易に移管できるようにもなる。
予想されていた通り、業界最大手のVMwareは、同社の「VMware GSX Server」ソフトを無料で配布する予定で、製品名も「VMware Server」へと変更する。
GSXの上位モデルであり、VMwareの売上増に大きく貢献している「VMware ESX Server」は有料のままである。ESXは、「Virtual Infrastructure Node」と呼ばれる同社のパッケージ管理ツールの一部として販売される場合が多い。
EMC傘下のVMware は、1台のコンピュータ上で複数の「仮想マシン」を稼動させ、各仮想マシン上でオペレーティングシステム(OS)を実行する技術を世界で初めて開発した。しかし、VMwareがコンピュータ仮想化ソフト市場を独占していた時代は終わった。VMware Serverと、Microsoftの「Virtual Server」やオープンソースの「Xen」との違いはなくなりつつある。「Xen」は、完成度という点で見劣りし、Windows上で使用できないという欠点はあるが、ESXサーバの基本機能と同等の機能は備えている。
6日にニューヨークで開催されるカンファレンス「IDC Virtualization Forum」では、VMwareのライバル企業らも当然、注目を得ようとしている。
マサチューセッツ州ローウェルに拠点を置く新興企業のVirtual Ironもその1社だ。同社のソフトは、1台のマシン上で複数OSの実行を可能にするだけでなく、複数のマシンによる1つのOSの共有も可能にする。同社は、このアプローチが、刻々と変化する業務上の需要に流動的に対応し、再構成が容易なコンピューティングシステムの開発につながることを期待している。この技術は過去数十年間、メインフレームで使用されてきたが、最近は主流のサーバにも使用されている。
Virtual Ironのアプローチでは、Paravirtualization(擬似仮想化)と呼ばれる技術が使用されている。この技術を使用するには、OSに複数の変更を施す必要がある。Virtual Ironは、世界第2位のLinux販売企業のNovellが、同社のOSである「SUSE LINUX Enterprise Server」の1バージョンで同技術をサポートすると発表する予定だ。
さらに、Virtual IronはIBMからも同技術への支持を獲得した。IBMによると、Virtual Ironのソフトは同社の「BladeCenter」サーバに最適だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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