ICR-PS390RMの最大の特徴は、やはりリニアPCMで録音できる点にあると言えるだろう。PCMの場合、MP3などの圧縮形式ではカットされてしまう部分も原音に忠実に記録できるため、自然音や楽器の演奏などの録音時には、とくにその威力を発揮する。
音質に関しては、内蔵マイクを使った録音でも非常にノイズが少ないのが印象的。同社の1世代前の下位機種「ICR-S277RM」と同じ条件で録音して比較してみたが、その差は意外に大きく、人の声がより聞き取りやすくなっていた。内蔵マイクでここまでクリアに録音できるのならば、会議や取材などの際に、わざわざ外部マイクを接続する必要も少なくなるはずだ。
その内蔵マイクは、約90度チルトアップさせることが可能。そのため、机の上に置いて録音する場合でも、反響音や振動の影響を最小限に抑えることができる。ただし、カバンの中に無造作に放り込む際は、このマイクの可動部分が若干の不安要素になる。そうした場合は、製品に同梱されている三脚穴付き本革ケースが役に立つだろう。
なお、操作系に関しては、「ごみ箱」が意外に便利。これは、パソコンのOSのごみ箱と似たような機能で、うっかり消去してしまっても、ごみ箱から戻せばファイルを復活させることができる。内蔵メモリが8Gバイトもあるため、こうしたファイル管理のしやすさは大きなポイントだと言える。
リニアPCM録音機能と8Gバイトのメモリを搭載し、ボイスレコーダーとして大きく進化を遂げたICR-PS390RM。音質という基本部分に加えて、使い勝手の面でも完成度が高まっているのが好印象だ。会議や取材などで長時間録音する必要があるユーザーはもちろん、生録派にもぜひ目を向けてもらいたい製品である。
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