任天堂とNTT東日本、NTT西日本の3社は11月28日、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」とNTT東西の光ブロードバンドサービス「フレッツ光」の普及に向けて協業を行うことを発表した。
任天堂代表取締役専務営業本部長の波多野信治氏は、「ニンテンドーDSの発売以来、幅広い年齢層に向けたソフトの提供を行っている」と語り、Wiiについても同様のコンセプトを踏襲していると説明する。Wiiではソフトがなくても利用できる本体内蔵のサービスとして、デジカメなどで撮影した写真を加工・閲覧できる「写真チャンネル」やアバターの作成サービスである「似顔絵チャンネル」を提供している。
また、インターネットに接続することで、天気予報サービス「お天気チャンネル」やニュース閲覧が可能な「ニュースチャンネル」が利用できる。11月27日には「みんなのニンテンドーチャンネル」の提供を開始。ユーザーが遊んだゲームのレビューをしたり、ニンテンドーDSの試用版ソフトのダウンロードもできるようになった。
そのほか、テレビでインターネットを利用できる「インターネットチャンネル」や過去に発売されたゲームソフトをダウンロード販売する「バーチャルコンソール」も提供している。バーチャルコンソールについては、すでに780万のダウンロード、35億円の売上高となっている。
2008年3月にはWii向けの新作ソフトをダウンロード販売する「Wiiウェア」の提供も予定するほか、2008年移行もインターネットによる通信機能を搭載したソフトの発売も控えており、インターネットを活用したサービスを多数用意している。
こういった背景がある一方、現在Wiiのインターネット接続率は40%ほどとなっており、「ブロードバンドの世帯普及に比べて低位」(波多野氏)な状況であり、さらなるネットワーク接続を促したいという思いがあったと説明した。
一方のNTT東西では、2008年にもFTTH環境が1000世帯を突破することを見込むものの、PCの普及に頼った形での世帯数増加しか見込めないという悩みがある。「2000万、3000万を目指すにはノンPCサービスが必要不可欠」(NTT東日本代表取締役副社長の古賀哲夫氏)。
そこでPC以外でのFTTH利用を促進すべく、IP電話「フレッツフォン」やホームセキュリティサービスなどを提供してきたが、いずれも爆発的に普及を促すには至らず、新しい道を模索していた中で、NTT側から任天堂に協業を打診。3社のニーズが一致したことから、7月頃から話が進められていた。現在、Wiiの月間販売台数は時期などによるものの、30万台以上。その一方でFTTHの新規契約が20万世帯程度であり、今回の協業によるFTTHの利用促進について、具体的な数値を挙げなかったが、古賀氏は「この差を埋めるものにしたい」と期待を寄せる。
具体的な協業としてはまず、11月29日より、任天堂とNTT東西が共同で「Wii×フレッツ接続サポートセンター(電話番号:0570-0011275)」を開設。土日を含む午前9時から午後5時までの間、新規回線の受付からWiiとフレッツ光でのネット接続までをサポートする。
また、同サポートセンターで申し込める「簡単!便利!Wii接続お任せパック」では、フレッツ光の新規契約から、接続機器の提供、機器のセットアップまでを行うパッケージを提供する。提供はサポートセンターの開設と同じく11月29日からで、内容の詳細は以下のとおり。
同サービスの初期費用は以下のとおり。
なお、任天堂ではほかの通信事業者との協業については可能性を否定している。NTT東西でも、通信事業者という立場から基本的に排他的にはできないとした上で「今は市場で強いWiiと組むのがベストだった」(古賀氏)とコメントしている。
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