ニューヨーク発--「なぜ書籍はアナログ時代の最後の砦なのだろうか」。オンライン小売業大手のAmazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏は、ニューヨークのユニオンスクエアにあるW Hotelにおける新しい電子ブックリーダ「Amazon Kindle」の発表に際し、聴衆らにそう問いかけた。
「書籍はデジタル化の波に決して流されなかった」と同氏は続けた。「それにはきちんとした理由があると私は思う。つまり、書籍は高度に進化し、その目的に非常に適した形式となったため、それを置き換えることは非常に困難なのである」(Bezos氏)
実際、Kindleの発売によりAmazonは、ソニーなどのハードウェア企業が失敗した分野での成功を狙っている。市場で成功した電子ブックリーダはこれまで存在しない。
CNET News.comは先週、Amazonがかなり延期されていた電子ブックリーダを発売する予定であると報じたが、同製品は米国時間11月19日、399ドルで発売開始となった。
Kindleの総重量は10.3オンス(約292g)である。「それはペーパーバックの書籍より軽い」とBezos氏は述べた。紙に相当する部分には、コンピュータ画面ではなく「電子インク」を用いている。バックライトはない。現在のところスクリーンは白黒である。Amazon幹部らによると、Kindleや「Sony Reader」など他の電子ブックリーダにも用いられているスクリーン技術を製造するE Inkは、カラー画面のプロトタイプも開発しているが、その技術はまだ市場向けの段階ではないという。
同社関係者らは、電池は数日から1週間持続すると述べた。充電器により電池は2時間ほどで充電可能であるという。
Kindleの特長としては、同期のためのPCや、ソフトウェアのインストールを必要としない点が挙げられる。Bezos氏は、「PCからではなく、Kindleから直接書籍の購入が可能である。ストアはKindle上に存在しており、コンテンツはワイヤレスかつシームレスにKindleへと配信される」と説明した。
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