Amazon.comの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏は、「Kindle」は読書ツールとして音楽プレーヤーの「iPod」に匹敵する存在になると思っているという。オンライン版Newsweekの記事が米国時間11月18日に報じている。
近日発売が予定されているAmazonの電子ブックリーダに関するBezos氏の初めてと見られるインタビューで、同氏は、Kindleは最大200冊の本を保存できるとともに「Whispernet」と呼ばれるシステムによってウェブにも接続できるとNewsweekに語った。オンライン書店の代名詞となっているAmazonは、Kindleの発売時に厳選した8万8000タイトル以上の電子ブックも同時にリリースする予定であるとNewsweekは報じている。
CNET News.comは先週、Bezos氏が19日にニューヨークで開催される報道向けイベントでKindleを発表する予定だと報じた。ある業界情報筋によると、Kindleの小売価格は399ドルで、主要な新聞や出版物から自動でダウンロードを受信できるという。また、同情報筋はKindleには電子メール機能も搭載されると述べている。
Newsweekは、電子メールサービスによってKindleのユーザーはWord文書やPDFファイルを受信して、機器のライブラリに本のように保存することが可能になると報じている。しかし、Bezos氏は、このハンドヘルド機器が備える独自の機能として、電子ブックをウェブからダウンロードでき、しかも「1分以内に」それが可能な点を同誌に語っている。
かつての電子ブックリーダでは電子ブックを購入するのにコンピュータの存在が不可欠だった。電子ブックをまずPCにダウンロードして、それから電子ブックリーダに同期させなければならなかったのである。しかし、Amazonはこの制限をなくし、ウェブに接続できる場所ならどこからでも電子ブックを購入できるようにするつもりだ。これによって電子ブックを衝動的に購入するユーザーが増えるかもしれない。
Amazonでは電子ブックリーダに大きな期待を寄せている。ある情報筋がCNET News.comに語ったところによると、同社は旧製品より優れた製品を販売しようと1年以上もリリースを延期してきた。一般の読書家を電子ブックに乗り換えさせようとするこれまでの試みは大半が失敗に終わっていた。
需要を喚起するため、AmazonはNew York Timesベストセラーやそのほかの新刊書のKindle版の価格を9.99ドルに設定する予定だ。価格設定は重要である。過去には電子ブックの価格が紙製の書籍と同じ価格だったケースが多く、需要が停滞する要因になっていた。
NewsweekはWhispernetシステムについてほとんど詳細を報じていないが、EVDOに基づいていることは明かしている。ある情報筋は、SprintがEVDOのアクセスを提供する予定だとCNETに語った。
EVDOによってKindleのユーザーは携帯電話ネットワークを経由してウェブに接続することが可能になる。これはWi-Fiホットスポットを探すよりも、より広範なエリアをカバーすることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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