UPDATE サンフランシスコ発--Red Hatは12月、新しいオープンソースのメッセージングソフトウェアのプライベートベータテストを開始する予定だ。Red Hatは現在、ライバル企業がプロプライエタリソフトウェアを提供して支配しているサーバ市場の一角を再編し、Linuxを販売している企業に新たな収入源をもたらしたい意向だ。
サーバメッセージングソフトウェアの目的とは、メッセージの送信である。当たり前のことだと思われるかもしれないが、ライバルよりも早く売買注文を出すことで利益をあげる証券取引など、大規模にネットワーク化された業務では、信頼できる形で大量にメッセージを送信することが非常に重要である。
Red Hatの最高技術責任者(CTO)であるBrian Stevens氏はOracle OpenWorld開催中に行われたインタビューで、Red HatのAMQPは、巨大金融サービス企業であるJP Morgan Chaseのプロプライエタリなメッセージングソフトウェアとして誕生したと述べている。
Stevens氏によれば、ベータテストには、10〜12の顧客と多数の提携会社が参加するという。Red Hatは、2008年上半期にソフトウェアのサポートサブスクリプションの販売を開始する見込みである。
Stevens氏は、「サーバメッセージングソフトウェアにはサブスクリプションを構築しようと考えている」と述べ、さらに、Red Hatのそのほかの製品やサービスとともに、高速応答の「リアルタイム」OSテクノロジと統合する予定だと付け加えた。少なくとも開始当初は、メッセージングサブスクリプションは、同社の主な収入源である標準的なRed Hat Enterprise Linuxサポートサブスクリプションには含まれないという。
Red HatはJP Morgan Chaseからプロプライエタリなメッセージングソフトウェアを取得した後、Apache Software Foundationでこれを「Qpid」という名前のオープンソースプロジェクトに変更し、ソフトウェア改良のためのプログラマーを雇用した。また、ソフトウェアのメカニズムをAdvanced Message Queuing Protocol(AMQP)と呼ばれる業界規格にするため、大手ネットワーキング会社であるCisco Systemsと提携した。
JP Morgan Chaseが既製の製品を使わずに、自社製品を構築する必要があるということは、業界の状態を物語っているとStevens氏は述べ、現在の市販製品には十分な能力がないと主張している。Stevens氏は初版では達成できるか確約できないと言うが、Red Hatの目標は、サーバが毎秒100万通のメッセージを処理できるようにすることだという。
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