グローバリゼーションの中で輝くオリジナリティ――テクモの見る世界市場

 コンシューマーゲーム機とは全く違うビジネスモデルを持つオンラインゲーム。ネットワークによって多くの人々がつながることで、ゲームの新しい可能性を生み出したこのジャンルは、これまでのゲーム開発とは全く違うノウハウが必要なジャンルでもある。

 それらノウハウを統合しシェアすることで、技術的にも運営的にも優れたサービスを提供しようという概念が「オンラインプラットホーム」であり、これを謳ったのはゲーム業界で老舗といえる数少ない企業のひとつ、テクモである。

 提唱する「オンラインプラットホーム」の志は「Lievo」という形で実現し、今年の10月にサービス開始1周年を迎えた。すでに会員数は550万人を超え、全世界でサービス展開をしつつある。

 また、テクモがリリースするXbox 360やPLAYSTATION3のハイクオリティーな作品は、他社のベンチマークとして意識される作品ばかりだ。自分たちが作っている作品が新しいエンターテインメントを提供できているか否か、多くの開発者はテクモの作品を分水嶺として意識せずにはいられない。

 新しい分野に果敢にチャレンジするテクモは、今の多様化するゲーム世界をどうとらえているのか。テクモ 代表取締役社長 安田善巳氏に聞いた。

--昨年から現在まで、すごい速度でゲーム市場は拡大しています。この市況について、どのような印象を持たれていますか?

 2007年を語るには、まだちょっと早いと思いますが、今年はおそらく2つのキーワードがあった年かと思います。

 ひとつめは、やはりターゲットユーザーの拡大ということですね。ふたつめは、世界市場の同時成長ということでしょうか。これは歴史的にはあまりなかったことです。

 世界市場の同時成長を確認し、それからターゲットユーザーが拡大していることを確認し、結果としてゲームの市場が質的な転換期を迎えているということを、我々が実感した年ではないかと思います。

 日本市場でいえば団塊ジュニアがターゲットユーザーの中核にあり、彼らの年齢層の推移によってゲーム市場も推移をしていくという指摘が過去にありました。

 確かにこれは、ゲーム市場もそうですしコミック市場もそうです。さらには音楽CDの市場も、団塊ジュニアが20代前半を越えた所から市場がピークアウトし、減少していくという流れがあった訳で、この指摘は的を射ていたと思います。

 ところが、2004年に任天堂さんがニンテンドーDSを発売されて、これまでの「団塊ジュニアとその子供達」というターゲットユーザーが、シニア層や女性層まで拡大しました。ゲーム市場が再び成長軌道に反転をしたということは数字として確認できていますから、その点では任天堂さんのゲーム人口拡大戦略は、成功したと評価できると思います。

 また、同時に我々が認識をしておかなければならないのは、ゲーム市場のグローバリゼーションの加速化です。特に、欧米と欧州市場の成長が著しいということは、ゲーム産業というのが本当に産業セクターとして機能しつつあることの証左といえるでしょう。金融や資本市場から、投資先として本格的にリーチされる時代になったと感じています。

 少し違う例え話になりますが、日経平均を算出する対象企業を見ると実は二極化しているんですね。その中で株価が上がっている企業はすべて国際株、グローバル株なんです。一方、どちらかというと株価が下がっている企業は、内需依存型なんです。

 トヨタが2兆5000億円もの利益をたたき出しているのは基本的に海外で収益を上げているからで、ゲーム産業もグローバリゼーションの中で、海外でしっかりとした収益成長を遂げていくことが大切になってくると思います。各国の市場に最も適した商品やサービスというものを提供していくということが、グローバリゼーションにおける成功の鍵です。

 すなわちグローバリゼーションは、市場化、多様化というのを促進していくキーワードなんですね。

 そういったことを我々メーカーサイドが実感したというのが今年であり、また市況動向ととしても感じています。

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