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エッジ感とメジャー感--パブリッシャーとしてのセガが描く世界戦略

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 セガという社名を聞いて、読者はどのようなイメージを持つだろうか。  アーケードで最先端を走るメーカーとしての姿だろうか。それとも、多くのハードにソフトを供給するパブリッシャーとしての姿だろうか。

 かつて、ハードウェアメーカーとして任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と壮絶なシェア争いを繰り広げたセガ・エンタープライゼスはセガと社名を変え、セガサミーホールディングスの中核企業として現在に至っている。

 アーケードタイトルの隆盛、コンシューマーゲーム機の乱立と収束、オンラインゲームビジネスの立ち上げなど、ゲームの新しい流れがある時に、セガは常に最前線にいた企業のひとつだ。

 2001年にハードウェア事業から撤退し、総合ソフトウェアパブリッシャーとして姿を変えたセガは、現在のゲーム市場をどうとらえているのか。そして、今なお熱い支持を集める「セガらしさ」を、どうユーザーへリーチしていくのか。セガ常務取締役 CS統括本部長 岡村秀樹氏に聞いた。

――現在のコンシューマゲーム機市場の市況について、どう感じていますか。複数のプラットホームがある状況は今までにもありましたが、その時の状況とは明らかに違う市況になっていますが。

 あまり外部に向けていっていませんが、我々は世界的に見て名実共に「世界のパブリッシャー」と呼ばれる存在になりたいと思っています。今もそうなのかもしれませんが、もっと確固たる自己を築いていこうというところに、戦略目標を置いている訳ですね。

 そのためには何が必要かを考えた時、重要なのは個々の機械の趨勢、プラットホームそのものというよりは、ワールドワイド戦略ではないかと考えています。

 北米、欧州などというのはこの近年、マーケット自体がもの凄い勢いで拡大していて10年前ぐらいの、日本対欧米という比率とは全然違う状況です。ということは、プラットホームそのものの議論もさることながら、ワールドワイドの地域戦略が非常に重要になるのではないかと考えています。

 もちろん、どういう機械がどういう形で売れて誰がヘゲモニー(主導権)を握るかということにはすごく関心があります。ですが、それとは少し違う視点から、企業戦略というのを練っているんです。

 かつてのプラットホームのように、「断トツのナンバー1とそれ以外」という図式に今回もなるかどうかという話をきりきり詰めていっても意味がないと思っています。むしろ、ワールドワイドで見た時の最適化のほうが、重要性が高いというのがセガの考え方です。ゲームビジネスの中でワールドワイドで見た時、本当に良いポジションを狙うのならば、それしかないと思います。売れるものが違いますからね。

 ですから、セガは世界のパブリッシャーの中で唯一、3極(日本、北米、欧州)に開発拠点があり独立した販売機能を持ってマーケティングを行っています。このワールドワイド戦略こそが、我々の基本戦略です。

――ワールドワイドの地域戦略とは、具体的にはどのようなことでしょうか。

 たとえば、「脳を鍛える大人のDSトレーニング(脳トレ)」は日本でも米国でも大ヒットしたタイトルではありますが、日本で語られる脳トレと米国で語られる脳トレは、少し違うと思うんです。日本における脳トレのインパクトと、多くのヒット作の1本ととらえられている米国の違いですね。

 だから、ワールドワイドで見ると地域ごとに少しずつ違っているという前提に立った時、プラットホーム戦略というのは自ずと違って当然なんです。それより、視点をどこに持ってくるかが重要だと考えます。

FOOTBALL MANAGER 欧州で大ヒットの人気シリーズ「フットボールマネージャー」

 セガはそれぞれの販売地域にそれぞれの開発拠点を持つことで、各プラットホームへ供給するタイトルのリージョン最適化を追求しています。欧米で有力な開発会社であるクリエイティブ・アッセンブリやシークレットレベル、スポーツインタラクティブなどを買収したことも、その1例です。各リージョンでもっとも受け入れられるソフトの有り様を追求するため、ラインナップ戦略そのものを最適化するために現地化した訳です。

 たとえば、スポーツインタラクティブの「フットボールマネージャー」というタイトルを日本で知っている人はほとんどいないでしょう。でも、欧米では100万本を超える本数を販売している。PCのスポーツ系ではナンバー1ブランドです。

 こうなると、PCも立派なプラットホームです。だけれど、日本では誰も知らない。ご当地というのは、正にこういうことだと思います。

――米国で大人気のタイトルも、日本では本数がふるわないというのは良く聞く話です。

 業界の人、ゲームに関心の高い人以外は知らないでしょ。これは良いことか悪いことかではなく、そういうことなんです。

 ですから、それぞれのプラットホームについての戦略というのは日本に限っていってしまうとすごく矮小化された話になってしまうので、我々はいつもワールドワイドで語っていくようにしています。

 ワールドワイドで売れるタイトルができた時の大きさというのは、たとえばエレクトロニック・アーツさんが欧米で1タイトル800万本売り上げる、みたいな現象ではないでしょうか。

 米国と欧州を合わせれば8億人近い人々がいて、その中のゲーム人口はまだまだ膨れていく状況です。欧米のメーカーは、この巨大なマーケットを見ていますから、どうしても日本はプライオリティが低くなる訳です。

ゲーム画面 世界戦略ソフトとなる「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」

 そういう中でワールドワイドで売れていくタイトルをどうするのかという点については、ポイントは2つあると思います。

 ひとつはこれまで説明した現地化という点。もうひとつが、ワールドワイドで売れるタイトルを絞り込んで投資するという点です。

 先日発表した「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」など、正にそういう役割を持ったタイトルです。

マリオ&ソニック AT 北京オリンピック
TM IOC. Copyright (C) 2007 International Olympic Committee (“IOC”). All rights reserved.SUPER MARIO characters (C) NINTENDO. SONIC THE HEDGEHOG characters (C) SEGA.

FOOTBALL MANAGER 2007
(C) Sports Interactive Limited 2006. Published by SEGA Corporation. Developed by Sports Interactive Limited. SEGA and SEGA logo are either registered trademarks or trademarks of SEGA Corporation. Football Manager, Sports Interactive and the Sports Interactive Logos are either registered trademarks or trademarks of Sports Interactive. The use of real names of professional football players is authorised by FIFPro Commercial Enterprises BV and its affiliates. National League Championship 06/07 First and/or Second Division Product under Official License from the LFP. All other company names, brand names and logos are property of their respective owners.

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