Sun Microsystemsは、Linuxのプログラミングのようなアプローチを同社OS「Solaris」に適用し、ほかのオープンソース推進の取り組みとの関係を強めることにもなるプロジェクト「Indiana」で、初の成果をリリースした。
Sunは米国時間10月31日遅く、同社のプロジェクトIndianaについて、名称を正式に「OpenSolaris Developer Preview」とし、バイナリコードのプレビュー版をダウンロード提供開始した。OpenSolaris Developer Previewは、同社が2008年早くにリリースを予定しているサポート製品「OpenSolaris 3/08」(仮称)の先行版となる。
Sunは、長期的にはSolarisをもっと広範囲に浸透しやすいものにしたい考えで、Linuxには精通しているが、Solarisに搭載されているLinuxの監視制御ツール「Dynamic Tracing」(DTrace)や、ファイルシステム「ZFS」といったSolarisの画期的な機能についてはよく知らない人々にも、Solarisに親しみをもってもらうことを目指している。
Indianaの統括責任者としてSunが2007年3月に雇用したIan Murdock氏は、「われわれは、新しいユーザーもSolarisを導入してすぐに多少なりと生産性を上げられるよう、簡便性の向上に取り組んできた」と話す。またSolarisは、さらに幅広くオープンソースコミュニティに開放することで恩恵を得られるようにするべきで、「OpenSolarisにLinuxを採り入れるというよりはむしろ、Solarisを開放して、オープンソースコミュニティが開発するすべてのテクノロジをより効果的に採り入れられるようにする」ことを望む、とMurdock氏は語った。
Murdock氏は、早期にIndianaが成果を上げたことをうれしく思うと話している。「将来の方向性を明確にする段階から、その計画に基づいて実際に製品を配布できる段階にまで、これほど早く移行できたことは、とにかく喜ばしいかぎりだ」
たしかに、同プロジェクトの取り組みはこの半年で急速に進展したかもしれない。しかし、SunがSolarisのベースとなっているソースコードを初めてリリースしたときから3年近い年月が経っており、オープンソース界の他の部分もまた急速に変化を遂げてきている。その約3年の間に「Ubuntu」は、まったく何もないところからLinux市場で重要な位置を占めるディストリビューションにまで躍進した。だが、一方のOpenSolarisはと言えば、大部分が完成しないまま、いくつものプロジェクトが散在する状態に留まっている。
SunはOpenSolarisで積極的に社外の開発者の力を活用し、有用な成果を生み出したプロジェクトもいくつかある。しかしSunは当初、OpenSolarisを、コアコンポーネント、ユーティリティ、高いレベルのソフトウェアなどがすべて揃った、インストールして利用できるLinuxのようなディストリビューションにするために、ばらばらのプロジェクトを先頭に立って統括しようとしていたわけではなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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