ネットワーク機器大手のCisco Systemsは米国時間11月1日、環境保全技術センターの設立などを含め、中国への投資を大幅に増額する計画であると発表した。
今回の3〜4年の計画は「(中国の)長期的な経済、社会および環境面の目標と一致したものである」とCiscoは声明で述べている。Ciscoが中国への投資を開始したのは1994年のことであり、すでに中国では営業、研究開発から製造に至るまで2300人以上のスタッフを雇用している。
「本日の発表は、当社のグローバル事業における中国の重要性と、幅広い分野での中国市場の成功の機会の両方を強調するものである。われわれは中国を、インターネットのコラボレーション分野における開発と、Web 2.0テクノロジの次なる波におけるイノベーターと見ている」とCiscoの最高経営責任者(CEO)であるJohn Chambers氏は北京で語った。
Ciscoは中国に最初の環境保全技術センターを設立し、エネルギー効率、排気量の削減および電気・電子機器廃棄物の削減を研究する予定である。
一方、Ciscoは中国の環境フットプリント(環境影響の指標)の改善にも合わせた協力をしていく方針である。オランダの環境アセスメント機関であるNetherlands Environmental Assessment Agencyは6月、中国の二酸化炭素排出量は過去1年間に9%増加したと推測している(米国の増加量は1.4%)ことを報告している。また、中国は62億トンの二酸化炭素の汚染を生み出している(米国は58億トン)。
中国の二酸化炭素排出量が大量である理由の1つは、欧米の企業が製造業の大きな部分を事実上、中国に移転しているためであるとGreenpeaceは指摘する。
「企業の興味の対象は労働コストだけだった」と、最近、Greenpeace U.K.のエグゼクティブディレクターであるJohn Sauven氏は語っている。「この傾向によって製品価格とインフレーションは低く押さえられているが、それは中国における温室効果ガスの排出量の急増という犠牲の上に成り立っているものである。長期的には、この方針は気候面で大きな災害を生み出してきたグローバル化の影の部分である」
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス