NBC Universalは同社の番組をiTunesで販売する権利の延長についてAppleと交渉し不調に終わったが、その席上、同社の社長兼最高経営責任者(CEO)であるZucker氏はAppleに対しiPod売り上げの一部を求めたという。娯楽産業の権威ある業界誌Varietyが伝えた(Valleywagによる)。これが事実なら驚くべきことだが、まだNBCの確認は取れていない。
「Appleは当社のコンテンツのおかげで何百万ドルものハードウェアを売り上げ、大きな利益をあげた。しかし、そうしてハードウェアから得たものを分かち合おうとせず、価格体系の改定に応じようとしなかった」。往年のアメリカンフットボールの強豪シラキュース大学の慈善イベントで、同氏はThe New YorkerのKen Auletta氏にこう語ったという。
コンテンツ産業は以前からiTunesの均一価格制に不満があり、人気のある新しい番組は高く古い番組は安く設定するよう求めてきた。しかし、AppleのCEOであるSteve Jobs氏はiTunesのテレビ番組は1.99ドルという価格設定に固執してきた。現在、NBCとZucker氏は自社のコンテンツに対する価格決定権を確実に手にしている。オンラインビデオ販売はまだ始まったばかりだ。そのため、交渉は価格設定を巡って決裂したものと思われる。
しかし、Zucker氏は、本当にAppleに対してiPod売り上げの一部を求めたのだろうか。そして、その理由としてNBCのコンテンツで大儲けしたことをあげたのだろうか。
どこから始めればよいかわからないが、まず、Varietyが報道したコメントの中でZucker氏は契約していた1年間にNBCはiTunesから1500万ドルしか得ていないと述べている。「1年間」がいつからいつまでかは不明だが、親会社General Electricの年次報告書によるとNBCの2006年の売り上げは160億ドル。iTunesでの販売からうる金額を3倍したとしても、同年の売り上げのわずか0.3%にしかならない。これに対して、テーマパーク事業の売り上げは1億ドルである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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