OS市場王者のマイクロソフトが携帯電話市場にも攻勢をかける。ウィルコムと共同で本格的なキャンペーンを開始する考えだ。
マイクロソフト モバイル&エンベデッドデバイス本部長の梅田成二氏によると、同社の携帯電話用OS「Windows Mobile」は2005年にウィルコムのスマートフォン「W-ZERO3」が発表されて以降、2008年3月末までに未発売のものを含めて通信事業者の10機種に採用された。このほか、HTC NipponからSIMフリーのスマートフォン2機種が発表されている。
当初は、PCリテラシーの高い男性ビジネスマンが中心利用者層だったが、女性の比率は2006年10月の3%から2007年10月には14.6%に増えている。また、20〜30代ユーザーの比率は同39.8%から62.6%にアップした。PDAユーザーが多かった以前に比べ、ケータイとパソコンの特徴を併せ持つ使い勝手のよさを評価して購入するユーザーの比率が高くなってきているとした。
ビジネス用途の需要も順調に拡大。サーバやPCとの連携が進んだことが主な要因だ。あわせてコンシューマー市場への浸透も進み、YouTubeの動画が閲覧できる「mobatube」を初めとした、さまざまなサービスも登場してきているとした。
マイクロソフトでは、さらなるWindows Mobileのユーザー拡大を目指し、「Windows Mobile "Green"キャンペーン」を開始する。このキャンペーンは、欧米ですでに過去2年に渡り実施しているが、アジア地域では初めてとなる。
まず広告として、11月1日から約半年間「Windows Mobile 新たな可能性を、その手に。」というメッセージを主要全国紙や交通広告(首都圏限定)、ビジネス誌、IT誌、ライフスタイル誌、オンラインで展開する。イー・モバイル「EM・ONE α」、ウィルコム「Advanced/W-ZERO3[es]」、ソフトバンクモバイル「X02HT」「X01T」を全面に出した広告となる。
ユーザー向けには11月1日から2008年1月7日まで、「EM・ONE α」「Advanced/W-ZERO3[es]」「X02HT」「X01T」や、HTC Nipponの「X7501」を購入したユーザーに対して、高級ホテル1泊の宿泊券が10名に当たるといったキャンペーンを展開。詳細は11月1日に開設する特別サイト で公開する。
記者説明会に登場した、マイクロソフトのパートナーであるウィルコムのサービス計画部長、寺尾洋幸氏はスマートフォン市場を切り開いてきたW-ZERO3シリーズの特性を説明。PHSのマイクロセル方式を生かした定額サービスを提供し、ケータイの使いやすさを組み入れたW-ZERO3[es]へと進化させたとした。2006年のウィルコム独自調査では、市場で使われているスマートフォンの86%がW-ZERO3シリーズであるという。
最近では、教育現場での採用が拡大しており、つくば市などにある約20校で利用されている。たとえば屋外観察などで得た情報をW-ZERO3に記録。学校に戻って、データをサーバーに転送し、これを元に復習するといった使い方がされているとのことだ。
このような学校での利用拡大をさらに進めるために、ウィルコムは教育機関向けに「Advanced/W-ZERO3[es]アカデミックパック」を11月5日より提供する。ウィルコムストアでの端末新規購入価格2万7600円を、「W-VALUE SELECT」を利用して購入した場合、実質負担金0円とするもの。
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