PtoP技術を提供するBitTorrentは米国時間10月9日、新たなエンタープライズ向けコンテンツ配信サービス「BitTorrent DNA」の提供開始を発表した。BitTorrentは、ストリーミング配信、大容量ファイルのダウンロード、オンラインゲームなどを提供する企業向けに開発されたBitTorrent DNAを立ち上げることで、ここ数年はデジタル著作権侵害行為と同一視されがちだった、ファイル交換プロトコルの生みの親というブランドイメージからの脱却を図ろうとしている。
BitTorrentは、新しいBitTorrent DNAに関して、「集中型のコンテンツ配信に付きものの、遅いダウンロード速度、画質が悪く途切れがちな動画ストリーミング、ネットワークインフラの非効率的な利用といった障害を克服したいと願っているパブリッシャーにとって、正に理想のソリューションである」とのコメントを発表した。この新たなコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を導入する初のクライアントは、多くの大企業のブロードバンドメディア運用を担っている、新興のオンライン動画配信企業のBrightcoveだ。
BitTorrent DNAは、Brightcoveのプラットフォームを活用する動画の配信を「高速化する」ために用いられる。
オンライン動画配信や大容量メディアのダウンロード提供が普及するに連れて、コンテンツ配信へのニッチな需要が、市場で高まってきた。BitTorrent DNAは、CBSを始めとする動画配信ネットワークの提供を支えるAkamai Technologiesなどの業界トップ企業へと、対決を挑むことになる。しかしながら、BitTorrentは、これまでに1億5000万件ものクライアントソフトがダウンロードされたことを明らかにしており、この強みによる優位性は大きいとしている。
さらに、PtoPフォーマットの利用は、ストリーミング動画配信分野で急速に高まってきた。最近スタートしたJoostやBabelgumなどのサービスでは、プロフェッショナルクオリティの動画コンテンツ配信バックボーンに、PtoP技術が採用されている。
BitTorrentは2月に、膨大なユーザーベースを活用して、映画、ゲーム、その他の大容量ファイルを合法的に配信するデジタルダウンロードストアの開設を発表した。BitTorrentは、映画の合法的なダウンロード提供に関して、メジャーな映画スタジオとの提携関係も結んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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