調子を取り戻した米ヤフー、次の一手は?--第3四半期決算発表 - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年10月17日 16時58分

 Yang氏の第二の目標は、Yahooを広告主にとって「マストバイ(必ず購入すべきお買い得品)」的存在にし、他サイトだけでなく、自社ネットワーク上でも販売する広告の量を増やすことだ。素晴らしい。同社に利益をもたらすこのような目標こそ、第一の目標とすべきだ。同社は16日、目標達成に向け、WebMD、Cars.com、Forbes.com、Ziff-Davis Mediaの4社との広告契約締結を発表した。

 一方、Yahoo社長のSue Decker氏によると、同社の新しい広告プラットフォーム「Panama」は、第3四半期も引き続き、利益増に寄与したという。Yahooは、Zimbra、Blue Lithium、Rivals.comの企業3社の買収を進めている。また同社は、検索広告販売チームとディスプレイ広告販売チームを統合した。これらの取り組みは、Googleや有望な新規参入企業であるMicrosoftとの競争においてYahooの大きな力となるだろう。

 Yang氏の第三の目標は、オープンなAPIでサービスを構築することにより、開発者らにとって魅力的なプラットフォームを作ることだ。これはなかなか良さそうな案で、特に米国の多くの学生が参加する巨大SNSのFacebookには有効と見られる。

 たしかに、ウェブ上におけるYahooの存在感は大きく、同社が提供するサービスの中には消費者の間で最も人気の高いものもある。Decker氏によると、現在、同社が抱えるユーザー数は、前年同期比14%増の4億7700万人に上り、「ウェブ上の(最大規模の)ユーザーベース」になっているという。またYahooのページビュー数は前年からおよそ20%増加した。

 しかし、そのYahooもウェブ検索市場では苦戦を強いられている。対照的に、Googleは市場における優位を生かし、検索事業で年間100億ドルもの売り上げを上げている。オンライン調査会社Hitwiseによると、米国における検索のシェアは、Googleの63.5%に対しYahooは22.5%だという。

 Decker氏によると、Yahooは「(検索)分野を変える」とともに、「さまざまなタスクを完成させるための、検索を超えた統合型エクスペリエンスを提供」したいと考えているという。しかし、これは一体どういう意味か。

 また同社の幹部らは、オリジナルエンターテインメントの制作に重点を置く方針を改め、ソーシャルメディアやユーザー作成型コンテンツに力を入れる計画だという。それでは、その計画がうまく行くか見守ることにしよう。

 Yahooが挙げたこれらの計画はすべて、広範な計画としては素晴らしいが、われわれが聞きたいのは、より具体的な計画だ。打ち切られるのは、ずばりどのサービスか。Yahooは広告事業でGoogleとの差を縮められるのか。Yahooはどの程度本気で検索分野を変えるのか。

 これらの目標は、現実の計画というより、むしろ希望リストのように見える。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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