Intuitは、エントリレベルの小規模企業向け会計ソフト「QuickBooks Simple Start Edition」の2008年版を無償化する。以前のフルバージョンは99.95ドルで販売され、「30万社以上の企業」が同製品を使用している。それではなぜ無償化するのだろうか。
Intuitの宣伝文句は、起業家に思い切った決断をして夢の事業を実現してもらいたいということであり、基本的な会計ソフトの価格について100ドルの壁を取り払うことがその証明になるというものである。2008年バージョンのリリースと並行して、「Just Start」と銘打った新しいマーケティングキャンペーンとコンテストも実施され、1人の当選者に5万ドルの現金と事業立ち上げのためのサービスが提供される。
Intuitの無償化の動きは守りの姿勢を示したものだ。MicrosoftはIntuitと競合する機能を絞った小規模企業向けの会計ソフトを発売しており、小規模企業を対象とした新しいWeb 2.0サービスも常時オンラインで提供される。無償または低価格で提供されるビジネスアプリケーションの大半は極めてベーシックなもので、家族経営の新興企業には最適な製品だ。しかし、会計ソフトのベンダーが本当に獲得したいと思っている顧客は、堅牢な会計ソリューションに金を払ってくれる、より成熟した小規模企業である。
Intuiteのエントリレベルのソフトウェアは無償化されることになったが、これは「Payroll」(年間最低99ドル)のようなサービスや、よりパワフルな「QuickBooks」ソフトウェアやオンライン製品に簡単に移行できる橋渡しとしての役割を果たす。これは若い企業を顧客として取り込んでしまおうという単刀直入な戦略である。換言すれば、Web 2.0がまだ成熟しないうちに企業を取り込んでしまおうというとだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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