連邦判事は、著作権で保護された楽曲をインターネットで共有したとして、ミネソタ州のJammie Thomas氏(30歳)に対し、大手レコード会社6社に22万ドルの罰金を支払うよう命じた。
1700以上の楽曲を共有した容疑にかけられていたThomas氏は、和解金を払って解決するのではなく、レコード業界と法廷で戦うことを選んだ。全米レコード協会(RIAA)がファイル共有をめぐり、法廷で争ったのは、今回が初めて。
2003年以来RIAAに訴えられた2万6000人の個人ユーザーの多くは、数千ドルを支払って示談解決している。一方のThomas氏は一貫して容疑を否定してきた。Thomas氏はKazaaを利用して音楽を共有したと告発されたが、Thomas氏はこれに対し、Kazaaアカウントをもっていないと主張した。Thomas氏にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
結局、Thomas氏の意見は判事に受け入れられなかった。判事はRIAAがこだわっている24曲に対し9240ドルを支払うようThomas氏に命じた。Thomas氏の当初の容疑は、1702曲を共有したというものだった。
長く音楽業界の幹部を務め、著作権に明るい弁護士Chris Castle氏は、「今回の判決は、ファイル共有ユーザーはインターネットの匿名に隠れることができないというメッセージを世に送り出しており、重要な意味をもつ」と語る。Castle氏は、ウェブの中に隠れることは簡単で、特定の時間にどのコンピュータを誰が使っていたのかを著作権所有者が証明することは非常に難しいという。今回の裁判で特筆すべきなのは、誰がThomas氏のコンピュータで音楽を共有していたのかは問題ではないとする先例が作られた点だ。
「今回法廷が出した回答は、『これはあなたのアカウントなので、あなたに責任がある』というものだ」とCastle氏。「これはあなたのユーザー名だ。あなたが請求書を払う。あなたの家の中にあるものの責任はあなたにある」(Castle氏)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス