Sun Microsystemsは、長らくオープンソースの「Xen Hypervisor」プロジェクトに参加してきたが、Solarisベースの姉妹製品に、“x86 Virtual Machine”を短縮した「xVM」という正式名称を付した。
SunのSolarisマーケティングバイスプレジデントとなるMarc Hamilton氏は、米国時間9月12日に「Xenは商標であるため、Solarisでの実行コードをXenと呼ぶわけにはいかない」と語った。xVMは、IntelのXeonをはじめとする、x86チップを搭載するコンピュータ上でのみ稼動する。Sunの最新UltraSparcプロセッサを搭載するコンピュータ上では、「Logical Domains(LDoms)」と呼ばれる同種の技術が用いられる。
x86サーバの技術的な基礎として普及してきている仮想化技術は、1台のコンピュータで複数のOSを同時に実行し、データセンターの効率や柔軟性を高められる。十年来の技術ではあるものの、仮想化技術は今、x86サーバの世界で急速に広がっている。その大半は、今週サンフランシスコでVMworldカンファレンスを開催し、新規株式公開を果たしたばかりのVMwareの影響によるものだ。
Xenは、仮想マシンのハードウェアリソースへのアクセスをコントロールするが、ハードウェアとの実際の情報交換を担う技術は、通常はLinuxに依存する。xVMは、SunのSolaris OSで稼動する姉妹製品である。Hamilton氏は、SunのxVMが、LinuxベースのXenを幾らか上回るパフォーマンスを示したと、自身のブログで先週明らかにした。
xVMは、Solarisのオープンソースプロジェクトとなる「OpenSolaris」の一翼を担っているものの、実稼働環境での使用を前提に、Solarisに移行されるにはしばらくかかる。しかしながら、間もなくアプライアンスと呼ばれるフォームで、実稼働環境向けに登場する可能性がある。
VMwareは、複数のOSを、高度なソフトウェアと共にパッケージ化して提供する手段として、仮想アプライアンスを売り込んできた。Sunも同じようにとらえているが、さらに一歩進んで、ハードウェアまでセット提供する構想を練っていると、Hamilton氏は語る。
Hamilton氏は「今後12カ月以内に、まずは仮想アプライアンスのフォームでxVMが登場することになると考えている。どんな仮想環境でも動作させられるようにするのは、かなり複雑なことだ」と述べた。
xVMのSolarisへの完全な統合は、Debian Linux創設者のIan Murdock氏が主導するプロジェクトで、Linuxのような魅力をもつSolarisを目指す「Project Indiana」の最初のリリースで実現する予定だ。Indianaの初期版は、2008年3月頃になると、Hamiltonは明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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