NTPを覚えているだろうか? 同社が再び帰ってきた。
2006年にBlackBerry訴訟を制したNTPが、再び行動に出た。今回同社が訴えたのは、AT&T、Verizon、Sprint、T-Mobileである。今回の訴訟は先週、NTPとBlackBerryメーカーのResearch In Motionの訴訟が最後に争われたバージニア州リッチモンドに提出された。
NTPは2002年、故Thomas Campana氏が保有する無線電子メールシステムに関する特許をRIMが侵害したとする訴訟で、陪審評決を勝ち取った。RIMはこの評決を覆そうと数回控訴を試みたが、状況は変わらず、両社は2006年3月、6億1250万ドルで和解した。米国特許商標庁は同訴訟の対象となっていたNTPの特許のほとんどを無効とする最終拒絶通知を発行したにもかかわらず、この和解は成立した。NTPは米国特許商標庁の決定を不服とし、数年かかると思われる再審査を請求している。
今回NTPは、ワイヤレス事業者らを訴えている。8件の特許が対象となっており、そのうち5件がRIMとの訴訟で争われたものである。今回の訴訟では、RIMやNokiaなどのハードウェアメーカーが、NTPが問題としている特許をライセンス契約しているのだから、事業者らもライセンス契約するべきであると主張しているようだ。NTPは、事業者らに対し、継続的なロイヤリティ料と賠償金を求めている。
リッチモンドにあるChristian & Bartonの弁護士で、NTPを担当するCraig Merritt氏は、同社の特許とワイヤレス事業者らに関する現時点での同社の考えについてコメントを求める電話に対し、すぐには回答しなかった。
2004年に亡くなったCampana氏は、無線電子メールシステムに関する特許を数件申請したが、製品を市場に提供したことはなかった。これらの特許に関する知的財産権を主張するNTPは、Palmに対しても訴訟を起こしており、同訴訟は、特許商標庁の再調査が終了するまで中止となっている。
特許商標庁に対しては再調査手続きに関する情報を求めて電話したが、すぐには回答が得られなかった。裁判で争う前に特許が有効であることを確認する手段として、特許保有者の要請により特許が再調査されることはしばしばある。しかし特許商標庁とRIMは2005年、これらの特許が無効であるかどうか再調査するための公聴会を開いている。特許商標庁の最初の判断(最終拒絶通知と呼ばれる)では、これらの特許は先行技術であるため無効であるということであった。
しかし、それは現時点での判断に過ぎない。NTPはこれらの決定に対し特許商標庁の審判部に再審査を要請し、その後米国連邦巡回控訴裁判所に控訴することができる。NTPは、同裁判所ではすでにRIMとの訴訟で勝訴した経験がある。また、もしNTPが、特許が正式に無効であると判断される前に陪審評決を勝ち取ることができたならば、ワイヤレス事業者らは陪審員らが決定した賠償に対応しなければならないことになる。
[米国時間9月11日午後4:34更新]特許商標庁のBrigid Quinn氏から折り返しの電話があり、再調査の状況について追加情報が入った。拒絶通知書が発行されてから、NTPはそれぞれの通知書に対する回答を提出している。これに対してここ数週間をかけて、拒絶通知書を発行した特許商標庁の審査官が答弁書を提出しており、NTPはこれに2カ月以内に回答することになっている。
その後、問題は審判部に送られ、公聴会が開かれたり、提出書類に基づいた判断が下されるとQuinn氏は述べる。審判部は特許商標庁の元職員や外部組織の専門家など3名で構成される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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