RIMとNTPの特許訴訟--審問を前に双方が舌戦

文:Tom Krazit(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年02月24日 20時14分

 カナダのブリティッシュコロンビア州の都市ウィスラーで開催されているRBC Capital Markets Communications, Media and Technology Conferenceの中で、携帯機器「BlackBerry」のメーカーであるResearch In Motion(RIM)の共同CEOのJim Balsillieは、ライセンス条件に関するNTPの最終的な立場はRIMにとって受け入れ難いものだと、語った。このBalsillieのコメントは、RIMの投資家向け広報(IR)サイト上でウェブキャストを通じて公開された。

 RIMは長期に及ぶNTPとの論争をいつまで続けるつもりなのか、との質問に対し、Balsillieは次のように答えた。「この人たちの問題点は・・・『われわれは今後こうする』という彼ら(NTP)の最終的な立場が、金銭に関するものではなかったという点だ。彼らは、われわれが事業を継続できるような条件を提示しようとしない」と語った。条件の具体的内容、およびNTPがその条件をいつRIMに提示したのかについては明らかにされなかった。

 NTPは2002年に、RIMのBlackBerry無線電子メール端末とソフトウェアがNTPの保有する特許を侵害しているとして、陪審員の評決を勝ち取った。この判決を不服としたRIMが控訴し、これまで控訴審が行われてきたが、24日に両社の代表者がバージニア州の裁判所に出廷し、BlackBerryのデバイスやソフトの米国内での販売を差し止めるべきか否かについて議論することになっている。多くのBlackBerryユーザーがこの審問の行方に注目しており、両社とも、23日はほぼ終日、公共の場で論戦を繰り広げた。

 アナリストや法律の専門家らはRIMに対し、NTPと和解し、先行き不透明な状況を終わらせるよう促してきた。両社は2005年にRIMがNTPに4億5000万ドル支払うことで和解したかに思われたが、結局不成立に終わった。最近の交渉でも、両社は全く解決の糸口を見出せなかったようだ。

 RIMは、24日の法定で待ち受ける運命を受け入れる覚悟のようだ。Balsillieは次のように語った。「今日、われわれの生態系を保護するライセンスを彼らに告げられた条件で取得するかと問われれば、間違いなくすると答える。そうすることは間違いない。しかし、そのライセンスは今後10〜20年間有効なのだろうか、また今後私のビジネスが発展していく中で、そのライセンスによってビジネスが保護されることはないのではないか、と問われれば、そんなことはあり得ない」

 NTPは23日に発表した声明の中で、Balsillieのコメントに対し次のように反論した。

 「NTPはRIMに対し、全ての人々、すなわち、顧客、通信事業者、提携企業を完全に保護するライセンスを提示した。NTPは、このライセンスによって自分がいかに保護されているかを全ての人に分かってもらえるよう2006年1月17日に行った裁判所への公開申立にライセンスの内容を盛り込んだ。顧客、通信事業者、提携企業を保護しない選択をしているのはRIMの方だ。NTPとしては、関係者の平和を祈るばかりだ」

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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