米国サンフランシスコでBEAWorld 2007 San Franciscoが開幕した。開幕基調講演では同社 のSOAやBPMによるコンポジットアプリケーションへの取り組みを一歩進める大 きな発表が行われた。
基調講演にはBEAの設立者でチェアマン、社長兼CEOのAlfred Chuang氏が登壇、 「固定され、柔軟性のない高価なパッケージ・ビジネス・アプリケーションを、 膨大な時間と膨大なコストをかけて導入する時代は終わった。SOAやWeb 2.0に よるコンポジットアプリケーションというエンタープライズコンピューティン グの新しい時代が来ている」と、同氏が近年続けている主張を繰り返した。
ビジネスからの要求は日常的に変わり、これに年や月といった単位ではなく、 日単位で追従できるシステムが求められているわけだ。
同氏は新しい時代にマッチするエンタープライズコンピューティングとして 調査会社Forresterの掲げる「Dynamic Business Application」というコンセプ トを紹介、ビジネスプロセスを具体化し、迅速な変更が可能、ユーザが自分 自身に必要なアプリケーションの形を自分自身で定義して使うことのできるシ ステムが必要とされているとする。
「BEAはSOAやBPMツールの提供によりこれを助けてきた」としたうえで同氏 が紹介したのは「GENESIS」と呼ばれる新しいプロジェクトだ。同社が買収に よって手に入れ強化を続けてきたサービスリポジトリを利用し、既存のアプリ ケーションも含め、ビジネスプロセスやサービスを柔軟かつ迅速に組み合わせ ることができる。
GENESIS、リポジトリに登録されたサービスやプロセスをGUIで組み合わせな がらデザイン、変更をシステムに反映し、その結果をモニタリングという一連 の作業をシームレスに行うことができる。
「BEAはSOAやBPMへの投資を行ってきたがこれががゴールというわけではない」 とAlfred Chuang氏。GENESISはこれまで同社が提供してきたSOAやBPM、Web 2.0といったパーツを組み合わせ、まさに「Dynamic Business Application」 の作成・運用・統制を実現する「コンポジションインフラストラクチャ」といえる だろう。
昨年BEAはSOA 360°というコンセプトを掲げ、ITエンジニアやアーキテクト を対象に、SOAプラットフォームを提唱した。その後同社はSOA and Beyondや Enterprise 360°というキーワードを出しながら、SOA―つまりIT―の範囲を 超え、BPMやソーシャルコンピューティングを包含し、エンドユーザーにまで 対象を広げてきた。今回のGENESISはSOA 360°のバージョンアップ版・拡張版 というべきものだろう。
GENESISの具体的なコンポーネントは今後一年くらいかけて提供されることに なる。具体的なロードマップ今後数ヶ月かけてあきらかにされるだろう。現時 点では、WorkSpace 360°がデザイン・開発ツールのベースとして利用 されると言うことが明らかになっている。
Alfred Chuang氏は「GENESISによってシステムの変更がオン・ザ・フライ で迅速に可能、その変化をリアルタイムにモニタリングし、有効な試行錯誤を 行うことができる」とし、「GENESISはBEAのエンタープライズコンピューティ ングをシンプルにするというミッションを体現するもの」と締めくくった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」