35.3%が“わからない漢字は携帯電話の漢字変換で調べる”--文化庁調べ

 文化庁はこのほど、2006年度「国語に関する世論調査」を公開した。

 調査によると、新聞・雑誌・ウェブニュースを読む頻度について、「よく読む」と「時々読む」の回答の合計は、新聞が79.5%、雑誌が43.9%、ウェブニュースが32.0%だった。

 また、漢字が書けないときの調べる手段について、トップは「辞書(出版物)」で60.6%。次いで「携帯電話の漢字変換」(35.3%)、「ワープロ、PCの漢字変換」(21.3%)、「電子辞書」(19.4%)、「インターネット上の辞書」(10.1%)だった。年齢別では、「電子辞書」は16〜19歳で特に高く、48.1%。「インターネット上の辞書」は30代(22.3%)、「携帯電話の漢字変換」は20代(79.3%)、「ワープロ、PCの漢字変換」は30代(35.5%)、40代(35.9%)で多かった。

 手書きとPC・ワープロ(携帯電話なども含む)を使って文章を書く場合の表記の仕方の調査では、手書きよりもPC・ワープロを使う場合のほうが、仮名よりも漢字で表記する割合が高かった。

 文書作成の際にPC・ワープロなどの情報機器を使っている割合は、「今、使っている」が48.9%、「今、使っていない」が50.6%。また、「今、使っていない」と答えた人のうち、42.4%が「まったく使ったことがない」と答え、なかでも60歳以上では77.8%にのぼる。

 「今、使っている」と答えた人が手書き、または情報機器を使って文書を作成する場合について、「恩師に手紙を出す場合」では71.3%が「手書きにする」と回答。これに対し、「年賀状のあて名の場合」、「仕事上の手紙を出す場合」、「仕事以外の文書を作成する場合」では、いずれも「情報機器」とする回答が過半数を占めた。

 また、文書作成のために情報機器使ったことがある人のうち、50.8%が「漢字の書き方を忘れることが多くなった」と回答。その一方で「文章の中で漢字を多く使うようになった」と回答した人が42.9%、さらに16〜19歳では32.3%が「漢字の知識が増えた」とも回答している。

 ワープロやPCの普及による漢字の多用傾向について、「必要以上に多様するのは望ましくない」(45.1%)の回答が「望ましい」(41.9%)をわずかに上回った。年齢別では20代以下では肯定的な見方が過半数を超えたが、30代以上では否定的意見のほうが多かった。また男女別では、69.8%の女性が肯定的意見を支持したのに対して、男性は38.9%の支持にとどまり、相違が際立つ結果となった。

 同調査は、情報化時代での漢字使用、慣用句等の意味の理解や使用に関する意識などを調査し、国語施策の参考として、1995年度から毎年実施されているもの。2006年度調査は、2月14日〜3月11日の間、全国の16歳以上の男女3442人に対して、個別面接形式で行われ、有効回答数は1943人だった。

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