しかし、情報開示は必要であり、ブロガーが完全で徹底した透明性を、熱心すぎる姿勢で求めようとしていることが、読者にとってブログを魅力的にしているのかもしれないと思うことがある。それでは、情報開示が求められるのはどんなときだろうか。
ここでは、特定の話題や企業について書くことに対して対価を受け取っている場合はそれを開示するというルールを入れていないことに気づいただろうか。その理由は、ジャーナリストであると真面目に受け入れられたいと考えているブロガーは、情報源から(あるいはその逆も)金品を決して受け取ってはならないし、受け取らないからだ。ただし、記事を書く見返りに贈り物をすることと、評価用の無料のコピーを受け取ることは全く異なることに注意するべきだ。2006年に、MicrosoftがVistaを載せたラップトップを選ばれた技術ブロガーに渡していたことが、本来全くスキャンダルではないにも関わらず大きな問題となった。これは、一部の人が後にそう呼んだような、賄賂でも贈り物でも支払いでもない。これは、Microsoftが(賢明にも)最適化されたマシンに搭載されていることを確実にした、Vistaの評価用コピーなのだ。わたしは以前、オンラインコンピュータゲーム雑誌で編集者として働いていた。われわれは決してレビューに対して支払いを受けたことはなかったが、企業が高価なソフトウェアやハードウェアを送ってきて、その返還を求めないということは頻繁にあった。しかし、その事実を開示したことはないし、評価用コピーに対価を払わなかったことがわれわれのレビューに影響したこともない。
2004年にブログネットワークGawker MediaのオーナーであるNick Denton氏が、ブロガーの倫理規範を募集した。倫理的に困難な問題の中でも情報開示は扱いにくく、複雑な問題だ。
「このガイドラインは、写真の著作権、無料サンプル、記事に対する支払い契約、編集上のタイアップ、支払いを受けたテキストリンクなどの問題をカバーする。これらは自主的なものだ。しかし、これらに忠実なサイトは、一定のブログ倫理の標準に達していることを示すことができるだろう」
わたしの知る限り、この分野ではまだ成果はない。2007年のはじめに、Tim O'Reilly氏が「ブロガーの行為規範」の草案を作り始めたが、不思議なことに情報開示方針などの倫理的な懸念については抜け落ちている。Denton氏のアイデアを再生する時期がきたのかもしれない。
すでに述べたとおり、ブログはまだ非常に新しいメディアであり、その進化はまだ始まったばかりだ。ブロガーはまだ、情報開示のような問題について試行錯誤で取り組んでいる。Vaughn Ververs氏が2006年にCBSブログ「Public Eye」で情報開示について書いた文章を借りて、この記事を終わろう。
「この世界はときとして非常に複雑だ。ジャーナリストの側の単純な情報開示は、それを本当に明らかにすることができるものだろうか。ある物語に関係のある情報開示の種類を、誰が判断するのだろう。もしこれが、見ればすぐにわかるような例であれば、それはすべての人の個人的な解釈に任せて良い判断のひとつではないだろうか」
ブロガーにはどんな種類の情報開示が必要だと思うだろうか。ブロガーはやりすぎているのか?あるいは情報開示は不足しているか?コメント欄で意見を聞かせてほしい。
(全面情報開示:わたしがこの記事を最初に書き始めたとき、わたしはAllen Sternとインスタントメッセンジャーで話しているところだった。;))
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