Microsoft Excelファイルでの共同作業をほぼリアルタイムで可能とさせるサービスである「Xcellery 」が eBayで売りに出されていた。同サービスについては3月に記事にしている。
この売り出しについて私は同サービスの創業者であるReto Laemmler氏から話を聞いた。同氏は私に「Xcelleryを閉鎖する計画はなく、買収されることになっても〔共同創業者の〕Heng-yi氏と私は役員会に残りたい」と伝えていた。しかしeBayのリストには、「Xcelleryを売り出し中。創業者チームが他のプロジェクトに注力しており、本サービスに費やす時間がなくなったため」と書かれていた。
本記事の執筆時点では、入札額は202.50ドルであり、最低競売価格に達していない。(Laemmler氏は最低価格を明らかにしていない。)
私の考えはこうである:eBayに行って、(同社によると)1万人の利用者(有料サービスの利用者も含む)を保有するIT企業を売りに出すことは、包括的な事業計画ではない。あるウェブ事業は中古車ではないのだ。単なるコードでもない。それは人々であり、顧客なのだ。ウェブ利用者の1人として、このような発想は私を深く憂慮させる。もし創業者がeBayで売りに出される情報にアクセスを与えるのかと思うと、私は自分の個人データや業務上のデータをウェブサービスには載せたいとは思わない。自分のデータに対するキーをこのように売られたくない。Laemmler氏は、顧客には積極的に連絡して、企業の資産が引き渡される前に、個人データを除去する機会を与えるつもりだと私に語っていた。それにしても、だ。
近頃は誰もが何の外部資金も必要とせずにウェブサービスを始められるというのは大好きだ。また企業家が、他の人々を関与させるための諸経費を支払うことなく、その苦労に対し収入を得ることができるというのは素晴らしいことだと思う。しかし、事業をeBayで売り払うというトレンドを考えると、ウェブ事業に対する外部からの投資、そして監督の価値がいっそう明らかに見えてくると言わざるを得ない。
他にもeBayで売りに出されているサービスには、Kiko、 HuckABuck、 Trezrなどがある。
Laemmler氏は母国であるスイスに戻り、もうひとつのウェブコラボレーション企業を構築する計画である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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