HD DVD対応の東芝レコーダーは、昨年の「RD-A1」が初号機となるが、実売30万円前後と現実的なモデルとはいえなかった。
これに対して本機は、「VARDIA」シリーズの最上位モデルという位置付けで、実売価格は20万円前後の現実的な価格設定となっている。少し頑張れば買える本機はHD DVD対応の東芝デジタルレコーダー、実質的な1号機といえるだろう。
外見は往年の高級ビデオデッキを思わせるオーソドックスな箱形フォルムを採用。スリムとはいえないが、RD-A1に比べると一般的なサイズになった。VARDIA最上位モデルらしい存在感が感じられ、質感と価格のバランスはリーズナブルに思える。
本機は600GバイトのHDDのほか、東芝製と推測されるHD DVDドライブを搭載している。HD DVDドライブの記録速度は等速(地上デジタル比約2倍速)で、HD DVD-R とHD DVD-R DLに、デジタル放送をハイビジョンのまま記録が可能だ。
従来のコピーフリーのDVD録画タイトル(MPEG-2 PS VR録画)をHD DVDに無劣化高速でダビングできるのも、HD DVDならではのメリットといえる。特に過去のアナログ録画資産をHD DVDに引き継ぎたい人には重宝するだろう。なお、書き換え可能なHD DVD-RWやHD DVD-RAMは規格が未策定なので非対応となっている。この点は致し方ないが、DVD-RAMがノンカートリッジのみ対応で、東芝レコーダーの象徴的なメディアであるカートリッジ入りDVD-RAMをサポートしない点は残念に思える。
RD-A1は、TS録画の際にデジタル放送のデータ放送を記録していたが、本機は記録しないように変更されており、このためHD DVDの記録時間は増えた。
テストしたところ、地上デジタルNHK011chの録画番組を、単層HD DVDに133分ムーブ可能だった。単層Blu-ray(25Gバイト)と比べると単層HD DVD(15Gバイト)は比較的容量が少ないが、結果からすると、地上デジタルでは映画録りもこなせそうだ。
その反面で、放送ビットレートの高いBSデジタルでは条件が苦しくなる。NHK BS-hiでは、単層HD DVDへのムーブは最大91分が限界だった。このため、BS録画では2層メディアや、AVデータを再圧縮できるH.264エンコーダーが欲しくなる。なお、本機は、ダビング時にタイトルやメディア残量を時間だけで表示するが、ストリーム録画機では“容量”でも表示すべきだろう。
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