米地裁、MSへの賠償金支払い命令を破棄--アルカテル・ルーセント特許裁判

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年08月07日 16時14分
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 米連邦地方裁判所は、Alcatel-Lucent が保有するMP3技術の特許をMicrosoftが侵害したとして、Microsoftに対し15億ドルの賠償金の支払いを命じた陪審員団の評決を覆した。

 カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所のRudi Brewster判事は、問題となっているMP3音声技術に関する2件の特許のうちの1件をMicrosoftが侵害したと認定した陪審員団の判断は適切ではなかったとして、同社に賠償金の支払いを命じた陪審員団の評決を破棄した。今回、Brewster判事は判決の中で、Lucentは問題の2件の特許のうちの1件の完全な所有者ではないとした上で、一方のMicrosoftは、その特許の共同所有者からライセンスを受けており、賠償責任を免れると述べた。

 MP3ファイルに使用されている技術をめぐる今回の訴訟で問題となった特許は2件ある。米国時間8月3日に下された判決によると、その2件の特許のうちの1件は、実はLucentの元親会社であるAT&Tと、Fraunhoferと呼ばれるドイツの企業が共同所有していた。そして、MicrosoftはFraunhoferとの間で、同特許技術を使用するためのライセンス契約を結んでいた。これは、陪審員団が2月に下した評決の内容とは正反対だ。しかしBrewster判事は、同特許に記載されている技術の一部は、FraunhoferとAT&Tが1989年に共同開発契約を締結した後に開発されたと断定した。

 この判決によりFraunhoferは、('080特許と呼ばれる)同特許の共同所有権と、Microsoftに同特許のライセンスを供与する権利を有することになる。さらに、同判事は、最初に提起された裁判の当事者にFraunhoferが含まれていなかったため、Lucent-Alcatelは特許権侵害を理由にMicrosoftを提訴できないとの裁定を下した。

 よって結論としては、Lucent-Alcatel が上訴する可能性があるため、Microsoftは(少なくとも現時点では)Lucent-Alcatelに15億ドルを支払う必要はない。15億ドルという金額はMicrosoftにとっては大した額ではないが、Lucent-Alcatelにとっては大金だ。同社は(得られたはずの)賠償金を失った。また、恐らくこれまでも裁判に資金を投じてきたはずだ。

 Microsoftは案の定、今回の判決を喜んでいる。「Microsoftに対し15億2000万ドルの賠償金の支払いを命じた陪審員団の評決を覆した今日の判決は、デジタル音楽の利用者たちの勝利であり、また特許制度の常識の勝利だ。MP3技術に依存している企業の数は大小合わせて数百社に上る。今回の判決により、これらの企業が、'080特許の共同所有者であり、業界内で認知されているMP3のライセンサーでもあるFraunhoferから、同特許に具体化されている技術のライセンスを適切に受けていることが明らかになった」(Microsoft)

 一方のLucentは、今回の判決にさほど喜んではいない。Alcatel-Lucentの広報担当のMary Ward氏はBloombergのインタビューの中で、「判事自身の審理前および審理後の判決が覆されたことは、われわれにとって大きな衝撃であり、不安を感じる」と述べ、さらに「陪審員団は全員一致でわれわれに同意した。われわれは、陪審員団の評決は有効だと考えている」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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