IBMのWladawsky-Berger氏もこの意見に賛成し、仮想世界はより人間らしい方法でITを表現していると述べた。「結果として、もっとずっとたくさんのことができるようになる。仮想世界に向けた経営資源計画(ERP)が新たに作られるだろう」と同氏は語り、病院を例にあげ、仮想世界でより病院らしく運営することで管理できると説明した。
Wladawsky-Berger氏は、IBMはSecond Lifeに5000名の従業員を擁していると言い、「仮想世界は会議には最適の場所だ」と語った。IBMではSecond Life内のスタッフに対し、「行儀をよく」し、会議ではアバターの服装は「適切な」ものにするようにという行動規範があるという。しかし、仮想世界の友人たちといるときには、何をすることも自由だと同氏は語った。
「訓練と会議は仮想世界に非常に適している。こういったことをより人間的な方法で行うために役に立つ技術は、どんなものでも軽く見てはいけない」と、Wladawsky-Berger氏は言う。
Lanier氏はIBMの従業員は「会議に行きたくていてもたってもいられなくなっている」と、冗談を言った。
それでも、Second Lifeはまだ軌道にのりはじめたばかりだと、Rosedale氏は言う。「3Dを使いこなすことはまだ難しいし、インターフェースもまだまだ改善の余地がある」というわけだ。にもかかわらずSecond Lifeは急速に成長しており、居住者の30%は米国からであり、ヨーロッパからも大勢が参加しているし、日本からの参加数も伸びていると同氏は述べた。
Second Lifeはデジタル空間でおよそ250平方マイル(約650平方km)の広さがあり、これはサンフランシスコの5倍にあたるとRosedale氏は言う。そしてこの仮想世界で、1カ月に1000ドル以上の収入を得る居住者が約830人いる。Second Life内経済は、半年前に比べ約100%成長したとRosedale氏は述べた。また、9月に予定されている新しい音声技術が開始されれば、さらに成長する可能性がある。
「われわれは、ウェブ以上にこうした技術を取り入れることで世界をすみやかにより完成に近づけていくつもりだ」とRosedale氏。
Lanier氏は自説を強調して、「仮想世界を成長させるもっとも有効な手段は、礼儀正しさだ」と結んだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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