東和エンジニアリングは7月31日、神戸女学院大学と共同で、「遠隔同時通訳システム」の研究を開始した。
遠隔同時通訳システムは、同時通訳を必要とする会場と、会場から離れた場所に設置された「通訳センター」をインターネット回線で接続し、専用機器を活用して高品質な通訳音声をリアルタイムに供給することで、通訳者が会場に同席しなくても高品質な同時通訳を可能にするシステム。
HD(高精細)クオリティのビデオ会議システムの映像を併用することにより、話し手、聴衆、質問者などの表情が遠隔地からも鮮明な映像で確認できるため、話し手の表情や状況を理解した適切な同時通訳を行うことができる。
同システムを利用することで、通訳者は必ずしも現場に同席する必要がなくなり、移動のための交通費や時間が削減できる。また、近隣に通訳者がいない地域でも、手軽に同時通訳を利用できるようになり、通訳利用の活性化が期待できるとしている。
今回の共同研究では、東和エンジニアリングがすでに実用化している同時通訳システムと高品位ビデオ会議システムを併用した遠隔同時通訳システムについて、神戸女学院大学側が通訳者側の立場から検証し、技術者側と実務者側の双方から意見を出し合うことで、より良い遠隔同時通訳システムの開発を目指す。来春をめどに研究成果をまとめる予定。
東和エンジニアリングでは、今回の共同研究での検証結果をもとに、システムを実務と技術の両面からさらに進化させ、設備・機能をより使いやすくスリムにすることで、企業、学校、病院、公共施設などで通訳を必要とする人たちが手軽に安価で利用できる環境作りを目指すとしている。
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