イラクに独裁者として君臨した同国元大統領Saddam Husseinの公判が米国時間19日に行われる。そして、この公判の模様はウェブでも配信される予定だ。
しかし、公判の内容をそのままアラビア語でウェブキャストしても、英語圏の人々から受け入れられないことが予想され、報道機関各社は、同時通訳の実現に向けて奔走してきた。だが、土壇場になって法的な問題が浮上し、イラク国内の法廷から中の様子が生中継される計画はなくなってしまった。
ケース・ウエスタン・リザーブ大学の法学部教授で、今回の公判を担当する裁判官と検察官に対する指導を行ったMichael Scharfは、生中継には「セキュリティ上深刻な懸念がある」と述べる。Scharfは、中継の時間をずらして、証人の顔をぼかすなど、個人の特定につながる情報を削除する必要があると述べた。
Husseinは2003年12月に逮捕され、自身の殺害を試みて未遂に終わった140人以上を殺害した罪に問われている。そのほか、旧政府の7人の高官も同時に裁判が行われ、全員が今後ほかの罪でも起訴される可能性がある。
イラクの特別法廷はウェブサイトを設置し、裁判の情報を一部公表しているが、ウェブキャストについては、(生中継でなく)録画したものさえも配信しない方針だ。その代わり、報道機関には動画情報が翻訳されない状態で提供される。報道機関各社は、自社の判断に応じてこれを使用することができる。
AP通信社のオンライン編集担当者Lou Ferraraによると、同社は19日に行われる裁判を可能な限りライブに近いタイミングでオンラインストリーム配信する予定だという。裁判は、太平洋夏時間午前5時から午前7時の間に開廷し、同午後12時ごろに閉廷する予定。
AP通信社のコンテンツは(おそらく英語に翻訳され)、同社のライブビデオフィードに契約する報道機関各社にウェブサイト経由で提供される予定だ。Ferraraは、同有料サービスを利用する報道機関の数についてはコメントを避けたものの、約500社の新聞社が同社のオンラインコンテンツを何らかの形で配信していることを明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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