メディアミックスで集客力を上げても、サイトのクオリティが低ければ、一時的にアクセス数が増えるだけで、ユーザーは去っていってしまう。
会員数約70万人の着メロサイトからスタートしたりーふねっとの岡氏は、その点を考慮し、集客を図った後、ユーザーをどうつなぎとめるかに注力していると述べた。
岡氏は、着メロサイトの運営から、楽曲数でなく、1曲のクオリティの高さで人が集まることがわかったという。
「着メロサイトは、楽曲の数で勝負するのではなく特化することで成功しました。この経験をいかにしてビジネスにつなげるかを考え、消費者キャンペーンを実施しました」(岡氏)
りーふねっとは、携帯コンテンツを使った消費者キャンペーンを実施し、数々の成功を収めた。その経緯を交え、岡氏はモバイルマーケティングの変遷を以下のように説明した。
2001〜2003年は着メロ、待ち受け画像などの単独コンテンツを提供。2004〜2005年にはリアル商品から携帯電話を使って、通常では手に入らない景品に応募できる消費者キャンペーンに移行した。岡氏は事例として、ロッテのガーナミルクチョコレートで行った着メロサービスのキャンペーンを挙げた。
「ガーナチョコレートは、着メロを付けたから売れたと思われていますが、実は違います。当初は他の会社も軒並みキャンペーンを張っていました。しかし、ガーナチョコレートのように長期間続いたのはりーふねっとだけだと思います。他との違いは、他のサイトで手に入らない曲を提供したこと。アクセス数は累計で400万件以上に上りました」(岡氏)
ガーナチョコレートの購買層は比較的年齢が高かったが、他では手に入らない着メロを付けたことで、これまで売れていなかった10〜20代にリーチすることができ、箱買いする人も出たという。楽曲数よりも付加価値にこだわったためと岡氏は成功の秘訣を明かした。
しかし、モバイルマーケティングの流れは再び変わり、2006年からは、このようなコンテンツ+リアル商品といったキャンペーンから、クロスメディアのひとつとしての携帯電話に移行していると岡氏は指摘する。現在、りーふねっとは、エンターテイメントサイト、ポータルサイトでユーザーの導線をどう作ればいいか、どのようなサイトならユーザーが来てくれるかをメイン事業としているという。
「2つの同じサイトがあったとき、ユーザーがどのように行動するのかを追求するため、同じサイトでHTML版とFlash版を用意して、再度アクセスする際にどちらを選ぶか試してみました。結果、作り方を工夫することにより一度Flash版を使用したユーザーの約95%が再びFlash版に戻ってくることがわかりました」(岡氏)
ユーザーは通信の待ち時間に一番ストレスを感じる。また、テキストだけではわかりにくいという点から、Flash版に軍配が上がった。その場合、3キャリア対応のFlash Liteの活用が重要だ。現状ではウェブアクセスを携帯で行うユーザーの約95%がFlash Liteを利用できるようになっている。
「クロスメディアで携帯サイトに集客したあと、できるだけ長くユーザーに使ってもらうためにはどうするか、そこが一番大切ではないかと思っています。りーふねっとは、そこを目指しているんです」(岡氏)
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