しかし、この回答により、(候補者らに対する)即答による聞き取り調査を行うことの重要性と、候補者らに圧力をかければ詳細な説明を引き出せることが明らかになった。YouTubeに投稿された質問の中には、少なくともCNNが(候補者らが「はい」か「いいえ」による回答を回避することを)事前に黙認(実際はしていたようだが)していなければ、その方法で簡単に処理できていたであろう質問が他にもあった。例えば、銃器売買(私人間売買も含む)に際し、事前に連邦政府の認可を受けることを義務付ける新法の制定は必要か、社会保障費を捻出するため、年収9万7000ドル以上のすべての米国民に対し増税を実施すべきか、ダルフール地方(スーダン)の平和維持のために地上軍を派遣するのか、同性同士のカップルにも異性同士のカップルと全く同じ結婚を認めるべきか、などだ。
最後の同性婚に関する質問に対し、Dodd氏は「私は、結婚は男性と女性との間で行うものだと考えている」と回答した。またEdwards氏は、「実は(夫人は)同性婚を支持している」としながらも「私自身は反対だ」と回答した。Obama氏は、「市民の結合」について語った。しかし、Clinton氏など、他の候補者らは率直な回答を避けた。
今回の討論会では、印象深い場面がいくつかあった。Edwards氏は、バイオディーゼル燃料の素晴らしさを説いた上で、「これ以上、炭素系の燃料は必要ない」と主張した。どうやらEdwards氏は、バイオディーゼルも炭素を含む植物油などから作られていることを理解していないようだ。
またClinton氏は、公教育に関する質問に対する回答の中で、同氏の娘であるChelsea ClintonさんがワシントンDCの上流私立学校に通った理由として、1つは彼女が高校生だったこと、もう1つは、そのような学校に通わないと彼女がマスコミに追い回されるためと説明した。しかし、Washington Monthlyが1992年12月の記事で指摘しているように、実際には、Chelsea Clinton氏は入学当時、まだ中学生だった。
また同記事は、Gore氏やQuayle氏の子供たちも公立学校には通っておらず、また「(初代)Bush政権の教育政策立案者上位67名のうち、自分の子供をワシントンDCの公立学校に通わせている者は1人もいない」と報じている。
また、中には突拍子もない質問もいくつかあった(例えば、テネシー州マーフリースボロから投稿されAl Gore氏についての質問)。反対に、突拍子もない回答も中にはあった。例えば、米国の銃所有者に対し敵意をむき出しにしたBiden氏の回答などだ(Biden氏自身は、そのような精神状態で銃を持つ資格があるのか疑問だ)。
仮に今回の討論会がタウンホールミーティング形式で行われたとしても、聴衆から今回と同じような質問が出ていたかもしれない。しかし、討論会に参加するための航空券代を出せる人は少ないが、ウェブカメラならより多くの人が購入可能だ。そして今回の形式は、想像以上の大成功を収めた(実際、今回の討論会は、過去に開催された民主党の討論会の中でも最高の討論会だったといえるだろう)。
さて、9月17日にはCNN、YouTube共催の共和党の討論会がフロリダで開催されるが、今回の民主党の討論会以上の成功を収めるかどうかが注目される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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