多くの質問は、これまで討論会の司会者が提起してきたものより鋭い内容となった。カリフォルニア州アーバインのRob Porterさんが投稿したビデオでは、Clinton氏に次の質問が投げかけられた。「"リベラル"という言葉を一体どんなふうにとらえているか。あなたは自分自身を評する言葉として、それを使いたいか」
Clinton氏は、リベラルとは「本来の意味では」自由を擁護する人を指すとしつつも「この30〜40年間に頻繁に使われるようになった言葉です」と答えた。さらにClinton氏は、自分は「現代進歩主義」であると述べつつ、リベラルであるとは自分自身では考えていないという点で司会者の意見に同意した。
別の厳しい質問は、カンザス州の黒人で学生のJordan Williams氏から、民主党に属するイリノイ州上院議員のBarack Obama氏に投げかけられたものだった。Obama氏が“生粋の黒人”を代表する上院議員ではないとの懸念に対して、どのように臨んでいくつもりかと問い尋ねられた(司会のCooper氏は、同じ質問を繰り返し読み上げてから、そのような質問を出すことについて謝罪した)。
以下はObama氏の回答だ。「昔マンハッタンでタクシーをつかまえようとする度に、自分の人種について思い知らされました。人種問題は、われわれの社会の至る所に染みついている。現在でも深刻な問題だ。しかしながら、わたしは米国の国民が本来良識ある人々であると信じている」
1つ残念だったのは、候補者が即座に手を挙げてイエスかノーかを表明しない進行になっていた点である。政治家は、イエスかノーかはっきりと答えねばならない状況を嫌う。
私の記憶では、Cooper氏が挙手による意思表示を求めたのは1度だけである。民主党全国委員会または候補者によって、それを明らかに制限されていたことが暗に示されている。(「あまり挙手による意思表明は行わないとしてきましたが、きっと今回が今夜唯一の機会になります」)
Cooper氏は地球温暖化についてのディスカッションの中で「今晩ここへ来るに当たって、自家用機もしくはチャーター機を用いた方は何人いらっしゃいますか?」と尋ねた。あまり選挙に勝つとは評価されていないKucinich氏および前上院議員のMike Gravel氏以外は全員が、飛行機を利用したことを認めている。Al Gore氏の電気代3万ドルを巡る騒動を気にしてか、渋々と手を挙げた人もいる。
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