Intelは米国時間7月24日、マルチコアチップに適したアプリケーションを記述するための開発ツール「Threading Building Blocks」をオープンソース化する予定だ。
同社は2006年8月に、マルチコア対応ソフト開発を支援するツール群をリリースしている。その1つであるThreading Building Blocksは、プログラミング言語「C++」のテンプレートで、マルチコアプロセッサやマルチCPUの利点を生かすアプリケーションを記述する作業の簡素化を目的とする。
Intelはこの1年を通じて、顧客と潜在顧客が、プラットフォームのサポート体制の強化と、このツール群が長く存続するという確証を求めていることを知ったと、同社のソフトウェア開発製品部門担当ディレクターJames Reinders氏は話す。
こうした要望に応えるために、IntelはThreading Building Blocksのソースコードを、ランタイム例外を含むGNU General Public License(GPL)バージョン2の下で公開することにした。このランタイム例外により、商用ソフトウェアの開発元は、同ソースコードを独自のクローズドソースの製品に組み込むことを選択できる、とReinders氏は説明する。
インテルは今後も引き続き、Threading Building Blocksへのサポートを年間299ドルで販売する予定だ。
ソフトウェアベンダーとチップメーカーはここ数年、プログラマーたちに対し、アプリケーションを書き換えて、普及が進むデュアルチップやマルチコアチップに対応させるよう奨励してきた。しかし現実には、デスクトップPCに搭載されたデュアルコアチップを最大限に活用できるアプリケーションの数は、まだ限られている。
「生かされていない大きな能力が、われわれに使われるのを待っているのは間違いない」と、Reinders氏は話す。「(しかし)並列処理をさせるために開発作業が極端に煩雑になるとしたら、多くのプログラマーが取り組むことは期待できない」
Threading Building Blocksは、「Windows」、「Mac OS X」、主要な「Linux」ディストリビューションなど、x86チップ上で動作する各OSで利用できる。「Solaris 10」、「FreeBSD」、「G5」プロセッサ上で動く「Mac OS」それぞれに対応するアルファ版もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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