ちょびリッチは、2006年から2007年にかけて、ブログサービス「ちょびリッチ。得するブログ」や、中古品買取サービス「ちょびリッチリサイクル」など、休むことなく新たなサービスをリリースし続けている。中でも、2007年4月にピーヴィーとの提携によって開始した動画投稿サービス「ちょびリッチVISION」は、視聴数に応じてポイントが加算されるシステムを、国内で初めて導入し、注目を集めている。
ここでも、開発部の果たした役割は非常に大きいが、その分、大野氏の双肩にかかる負担と責任も巨大だ。不安を感じることはないのだろうか?
「確かに、自分のダウンが全社的なストップに直結する、という恐怖感、プレッシャーはありますよ。でも、開発部の人数の少ない分、意志決定を素早く、かつ柔軟にできる。いい意味で“文化祭チック”なノリがあるんです。開発部の雰囲気がいいからなのか、単に自分が楽天的な性格だからなのかはわかりませんが、毎日の業務が楽しいですよ」
同サイトのキャッチフレーズは「サイフもココロもハッピーに!」。「楽しい」という要素が、開発部にとってもひとつのキーワードになっている。例えば、「ちょびリッチ。」について。単にポイントを貯めることだけを目的としたサイトでは、急激な会員数増加は望めない。それを踏まえ、大野氏はいう。
「ゲームなどのコンテンツ自体を楽しんだ結果、自然にポイントも貯まる、というエンターテインメント性が、これまで以上に重要となるでしょう。そして、ユーザーの楽しめるコンテンツを作るためには、エンジニア同士が妥協せず、率直に意見をぶつけ合って、楽しみながら開発に取り組む必要があると思うんです」
同じく開発部に所属し、キャラクターからオフィスの内装まで、同社のあらゆるデザインを手がけたデザイナー、前野わこ氏も、開発部の雰囲気についてこう述べる。
「コミュニケーションが非常に潤滑に行われているのが特徴ですね。大野はいつも明るくておもしろいし、意見の交換もしやすい。自分の意見を持っていて、それを提案できる人、ゼロから何かを作り上げたい人には最適な環境になっていると思います」
とはいえ、現在の同社開発部は、わずか数人の小集団。個々がいかに優秀でも、今後よりモバイルに力を注ぎたいとする同社の業務量に対し、マンパワーが絶対的に不足しているのも事実だ。セキュリティーやユーザー・インターフェースなど、システム面の強化に関するヴィジョンはすでに描けているものの、それを実行に移すだけの時間の捻出が、事業の拡大とともに難しくなってきている。
大野氏の本来の専門分野は、ウェブとデータベース。特に、ネットワーク分野の専門家の獲得が急務だ。欲をいえば、分野を問わず幅広い知識を持つ人材が欲しいところだろうが、「元気で責任感のある人なら大歓迎」という大野氏。開発部が現在のフランクな雰囲気を維持しつつ、大野氏に匹敵する人材が集ったとき、同社はさらなる飛躍を遂げることになるだろう。
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