静岡大学情報学部佐藤哲也研究室は7月12日、選挙でのインターネット活用の将来像の検討を目的として行われている学術目的の取り組み「参議院プロジェクト」の一環として、第21回参議院選挙に関する情報を提供する総合情報サイト「sangi.in」を正式に開始した。
同サイトでは、すでに予測市場の活用で参院選の結果を予測する実験を開始しているが、今回の正式オープンに伴い、ウェブアプリケーション「投票エージェント」と「政党、候補者のマニュフェスト検索システム」の提供を開始し、情報化に対応した民主主義のあり方についての検討を行うとしている。
投票エージェントは、有権者がウェブサイト上のアンケート調査に回答することで、事前に立候補予定者から得た同一のアンケート回答をもとに、最も争点に対する考え方の近い候補者を提示するシステム。佐藤研究室では、2001年の参議院選挙からこのシステムの実証実験を行っている。同システムで利用されている争点は、透明性と客観性の高い争点抽出技術を目指して開発された手法で、過去約半年分の大手全国紙5紙の記事1687本を機械的に分類した結果に基づいて設定されている。
一方のマニュフェスト検索システムは、政党や立候補予定者がさまざまな形で提示しているマニュフェストや公約を、統一的に検索できるシステム。今後の政策に関する情報流通、特にXMLによる政策情報の活用に向けた研究の一環として、今回の参議院選にあわせた政策やマニュフェストをXML化し、検索可能な状態にしたうえで公開しているという。このシステムは、政策に関する情報流通の活性化に向けた技術的課題の学術的観点からの把握を目的として開発、運用されている。
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